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『バースデー・ワンダーランド』原恵一監督インタビュー 目指すのは”日本にない新鮮さ”

内向的なアカネと旅好きなチィ、対照的な2人の女性

アカネと対照的なチィ (C)柏葉幸子・講談社/2019「バースデー・ワンダーランド」製作委員会
アカネと対照的なチィ (C)柏葉幸子・講談社/2019「バースデー・ワンダーランド」製作委員会

ーー冒険に出る前のアカネだったら、「しずく切りの儀式」という一種の通過儀礼に加わることはできなかったでしょうね。原監督の作品は『河童のクゥ』や『カラフル』(2010年)などクラスであまり目立たない子を主人公にすることが多いですが、原監督自身の少年期を投影しているのでしょうか。

 そうかもしれません(笑)。僕もすごく大人しい子どもだった記憶があります。元気いっぱいなキャラクターよりも、どこかモジモジしているキャラクターを描くほうが得意なのかもしれません(笑)。

ーーチィおばさんは、旅好きな性格。原監督も旅好きで、シンエイ動画時代に『エスパー魔美』(テレビ朝日系/1987年)のシリーズディレクターを勤め上げた後、1年間休職して旅をしたそうですね。

 アジアが好きで、7か月間ほど東南アジアを回りました。そういった過去の海外旅行の経験は、確実に作品の中に入っていると思います。チィは、学校を卒業した後、普通に社会人をやっている人じゃない。大して儲からないかもしれないけど、趣味と実益を兼ねた仕事を選んだひとりの女性です。
 
 ちょっと変わった女性ではあるけれど、その分だけ何事にも縛られずに自由に暮らし、海外を飛び回っている。内向的なアカネとは、いちばん対照的なキャラクターだと言えるでしょうね。

ーー物静かだけど感受性豊かなアカネと旅好きで常識にとらわれないチィおばさん。どちらのキャラクターも、原監督の中にいる存在だと言っていい?

うん、そう言っていいと思います。大人しいアカネと自由気ままに生きるチィは、どちらも僕の中にいるような気がしますね(笑)。

(長野辰次)

●『バースデー・ワンダーランド』
原作/柏葉幸子『地下室からのふしぎな旅』(講談社青い鳥文庫)
監督/原恵一 脚本/丸尾みほ キャラクター/ビジュアル/イリヤ・クブシノブ 音楽/富貴晴美
声の出演/松岡茉優、杏、麻生久美子、東山奈央、藤原啓治、矢島晶子、市村正親
配給/ワーナー・ブラザース映画 4月26日(金)より全国公開
(C)柏葉幸子・講談社/2019「バースデー・ワンダーランド」製作委員会
http://wwws.warnerbros.co.jp/birthdaywonderland

●原恵一(はら・けいいち)
1959年群馬県館林市出身。82年にシンエイ動画に入社後、テレビ版『ドラえもん』(テレビ朝日系)の演出、『エスパー魔美』(テレビ朝日系)のチーフディレクターなどを務める。『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』(97年)で長編監督デビュー。『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(01年)、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』(02年)は大人も号泣する映画として評判となる。劇場映画『河童のクゥと夏休み』(07年)を最後にフリーランスに。以後の監督作に、『カラフル』(10年)、『百日紅 〜Miss HOKUSAI〜』(15年)、若き日の木下惠介監督を描いた実写映画『はじまりのみち』(13年)がある。

【画像】「クレしん」の原恵一監督が描くファンタジー世界(21枚)

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