『ドラゴンボール』セルの「完全体になれさえすれば」で、ベジータが見逃さず倒していたら?
「どこまでも主人公たちが強くなっていく」のが魅力の少年マンガ『ドラゴンボール』。人造人間編でベジータは、セル第二形態を圧倒するものの、セルの「完全体になれさえすれば」の一言に興味を抱き、セルを見逃してしまいます。ベジータがセルを倒していたら、どうなったでしょうか。
ベジータの気まぐれがなければ…
1984年に「週刊少年ジャンプ」で連載開始し、現在も2015年からの『ドラゴンボール超』が人気の『ドラゴンボール』。
人造人間編で現れた強敵・人造人間セルは、人間を吸収して力を蓄えつつ「完全体」になるために、人造人間17号と18号を取り込もうとします。
人造人間17号がセルに吸収され、セルが第二形態に進化した後、修行を終えたベジータとトランクスが現れて、セルとの戦いとなります。
ベジータは自分のことを「超ベジータ」と名乗り、圧倒的なパワーでセルを叩きのめします。セルは実力差に絶望しつつも「完全体になりさえすれば」と負け惜しみを言いました。より強い敵と戦いたいベジータは、それを聞いて方針を変え、セルは人造人間18号を取りこむことに成功します。
完全体となったセルは、ベジータとトランクスを圧倒し、セルゲームを開催することになります。
もし、ベジータがセル第二形態の言うことに耳を貸さず、あくまでも倒そうとしていたら、どうなったでしょうか。
この場合、追い詰められたセルは、孫悟飯戦の最後と同様に、自爆することを選ぶと考えられます。この状況では、瞬間移動を使える孫悟空がいないため、自爆を防げるかどうか微妙です。
爆発を察知したベジータは、恐らくトランクスを庇うために、セルを持ち上げた上で、地球から少しでも放そうとするのではないでしょうか。そして、爆発を相殺するために、魔人ブウ編と同じく、生命力を含む、全てのパワーをぶつけて、防ごうとしたのではないかというのが、筆者の推察です。
口では悪態を突きつつも、自分が価値を置くものが失われそうとしたときに、躊躇わず命を投げ出すのが、ベジータの魅力ではないかと思えます。
なお、セルが自爆した場合でもピッコロの命が失われなければ、ドラゴンボールで自爆したセルの被害と、失われた人命は復活していたと考えられます。
もし、ここでベジータがセルを自爆させず、上手く倒していた場合は、ベジータの興味は悟空に移ると思います。悟空と手合せした上で、未来に帰ろうとするトランクスとも手合せし、息子に経験という贈り物をしたように思えます。
どちらの場合でも、クリリンがセルから人造人間18号を庇おうとする場面がなくなる可能性が高く、クリリンと18号が夫婦になる未来が無くなるかもしれません。
(安藤昌季)