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細田守さんが当初監督予定だったジブリ作とは? 降板を「後悔」も、体験を反映した一作も

ダークなテイストの『オマツリ男爵』、ONE PIECEファンの反応は?

2005年に公開された『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』DVD(東映)
2005年に公開された『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』DVD(東映)

『ONE PIECE』と言えば、ルフィたち麦わらの一味の「仲間の絆」の強さが印象的な少年マンガです。それにもかかわらず、細田さんは『オマツリ男爵』のなかでルフィたちを互いに信用させず、仲違いさせる展開を作り出しました。

『ONE PIECE』シリーズには珍しいダークなテイストな本作について、当初ファンの間では「原作を否定している」「『ONE PIECE』で(このようなストーリー展開を)やる必要がない」などと言った厳しい意見もありました。一方で「メッセージ性が強く面白かった」「『ONE PIECE』っぽくないけどこれはこれで楽しめる」など、強いテーマ性に対する高評価の意見も多く見受けられました。

 賛否両論となったものの『オマツリ男爵』はファンへ強烈な印象を残しました。本作公開の1年後、細田監督によって筒井康隆さん原作の小説『時をかける少女』がアニメ映画化されます。アニメ映画『時をかける少女』は、公開時にはわずか6館での上映だったものの、口コミで評判が拡がり、ロングランを記録することになりました。

 監督降板という苦い経験をした細田さんですが、結果的にはその経験をも糧とした『オマツリ男爵』の制作を経て、以降『時をかける少女』など大ヒット映画を連発するに至りました。2021年7月公開の『竜とそばかすの姫』以降、長編アニメーション作品は発表されていませんが、多くのファンが新作を待ちわびています。

(LUIS FIELD)

【画像】細田守監督による『ハウルの動く城』が存在する世界線があったかも?(5枚)

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