え、主題歌を「大人気女芸人」が歌う予定が? 『魔女の宅急便』公開時に明かされてた幻の設定
スタジオジブリの名作『魔女の宅急便』は、13歳の魔女「キキ」の成長物語です。本作には意外な裏話がいくつか存在します。
おソノさんはゾク?

スタジオジブリの宮崎駿監督の『魔女の宅急便』は、13歳の魔女「キキ」が、一人前になるために親元を離れ、さまざまな人と出会って成長していくストーリーが描かれています。本作の原作は角野栄子さんによる小説で、映画では描かれていない「その後」の物語に関する話題ネットで盛り上がるトピックです。また、ジブリによる映画版だけでも、妄想が膨らんでしまうような面白い裏話がありました。
文藝春秋から出ている『ジブリの教科書5 魔女の宅急便』には、映画の公開年である1989年の9月号の雑誌「アニメージュ」に載っていた制作秘話、「ここだけの話」がまとめられています。7月29日に公開されたばかりだった『魔女の宅急便』に関して、貴重な資料が多数ありました。
まず、『魔女の宅急便』といえばキキが居候先の「おソノ」のパン屋「グーチョキパン店」で店番をしている姿のポスターが有名ですが、これに至るまでに紆余曲折があったようです。なかには、「いままでの宮崎ヒロイン(1989年時点)はトイレにも行かないといわれていた」という理由で、キキがトイレに座って何かを考えているというものがありましたが、「招く誤解が大きすぎる」という理由で没になっています。
有名な「落ち込んだりもしたけれど、私はげんきです。」というコピーを考えた糸井重里さんからは、地上低くを飛ぶキキの絵という案もあったそうですが、宮崎監督は普通の少女らしさを押し出した方がいいと考え、ものの30秒ほどでパン屋のポスターのラフを描きました。
また、26歳の若さでそのグーチョキパン店を営むおソノは、公開時のパンフレットに「青春時代にはそれなりにツッパった経験を持つ」と書かれています。『ジブリの教科書』を見ると、もっと踏み込んで「おソノさんはゾク(暴走族)だった」「若くしてパン屋さんをきりもりしているくらいのシッカリ者だから、昔はいろいろあった人のはず」「エンディングで彼女はバイクに乗るという案もあった」とまで語られていました。そのバージョンのエンディングも、見てみたいところです。
また、原作の小説シリーズの2作目『魔女の宅急便 <その2>キキと新しい魔法』(1993年初版)とは関係なく、宮崎監督による「続編」の案もありました。それは宅急便の仕事が忙しくなり過ぎたキキが、これからはホウキではなく車の時代だと考えて、「トンボ」を専務に据えトラック運送の会社を経営する、というものです。これは制作が大づめのときに宮崎監督が考えた、冗談のような案でした。
最後に、特に意外な裏話として「主題歌を山田邦子さんが歌う予定だった」というものがあります。『魔女の宅急便』といえば、荒井(松任谷)由実さん(以下、ユーミン)の「ルージュの伝言」(OP)と「やさしさに包まれたなら」(ED)が有名ですが、今の形になる前には「ユーミンに新曲を作ってもらって、山田邦子に歌ってもらう」という案があったことが書かれていました。
『オレたちひょうきん族』の「ひょうきんベストテン」でやっていた通り、山田さんはユーミンのモノマネが得意で、「覆面歌手としてレコード化」というアイデアまであったことが「ここだけの話」で語られています。実現していたらどうなっていたのでしょうか。
(マグミクス編集部)

