元祖『仮面ライダー』の緑川ルリ子はアクシデントの連続 演じた女優にも「数奇な運命」が?
「改造人間と乙女の許されぬ恋」が描かれるはずが?

しかし、その活躍も13話まででした。旧1号編の終了とともに、ルリ子は予告もなく番組から姿を消しました。その後の設定では、ルリ子はショッカーを追うためにヨーロッパに渡った本郷を追いかけて旅立ったとされていますが、唐突な感じが否めません。 14話からは2号一文字隼人編に突入し、喫茶店アミーゴにはレギュラーだった島田陽子に加え、ライダーガールズと呼ばれる女性キャストが入れ替わり立ち替わり登場します。
山本リンダ、中田喜子、ミミ萩原など、後に有名になる人もいましたが、いつでも入れ替わることができるように、彼女たちは無個性に演じられていたようです。 怪我を治した藤岡は40話で復活し、その後新1号編では再び主人公として返り咲きました。しかし、本郷を追いかけてヨーロッパに行ったはずのルリ子は戻ってくることはありませんでした。
現実には「もしも」の話はありません。藤岡が怪我をして途中降板しなければ……そして、仮面ライダー2号が登場しなければ……。仮面ライダーというドラマも存続しておらず、仮面ライダーシリーズが今日まで続くコンテンツに成長することはなかったかもしれません。
ルリ子を演じた真樹千恵子は、後に芸名を森川千恵子と改め、仮面ライダー放送中の1972年10月から特撮ドラマ『アイアンキング』に出演しました。彼女は主人公コンビに同行する女性・高村ゆき子役を演じていました。真樹と気付いた子供たちは少なかったかもしれません。
彼女は芸名も変え、インディアン風の三つ編みのお下げ髪で、清楚なルリ子とはまったく異なるキャラクターを演じていたからです。実は、彼女は敵組織不知火党のスパイであり、最後には敵ロボットに乗り込んでアイアンキングとして戦う設定だったようですが、ここでもアクシデントが発生します。
撮影中に森川の髪の毛に火がつくという事故が起きました。幸いにも火は無事に消されましたが、この出来事がトラウマとなり、森川は出演を拒否します。ゆき子役は第6話で不知火党を裏切ったことにより殺され、降板となりました。女性レギュラーがいなくなった結果、夏純子、大川栄子、岡崎友紀など当時の人気女優がゲスト出演することになったのです。
当時の特撮ドラマを調べると、撮影中に起きた事故が多かったことが分かります。俳優やスタッフたちは命を懸けて撮影に取り組んでいたのです。
緑川ルリ子というキャラクターは『シン・仮面ライダー』によって初めて昇華されたといっても過言ではありません。そして真樹千恵子という女優は、不幸な事故がなければ、もっと多くの活躍を見せることができたのかもしれません。
(LUIS FIELD)



