ジェロニモだけじゃない! 『キン肉マン』で「元人間」設定を活かした超人は?
『キン肉マン』に登場するキャラクターのなかで、超人と渡り合った人間として有名なのがジェロニモです。後に彼は超人となって活躍するのですが、実はジェロニモのほかにも元人間の超人がいます。ジェロニモが超人化した経緯を振り返りつつ、印象的な活躍をした他の元人間の超人を紹介します。
元人間の超人はジェロニモだけじゃなかった!

人気マンガ『キン肉マン』に登場する超人・ジェロニモは元人間という経歴を持っています。「黄金のマスク編」で初登場したジェロニモは、サンシャイン戦で「アパッチのおたけび」を食らわせての逆転勝利、キン肉マンら先輩の超人たちのために命がけで崩壊寸前の五重のリングを支える、元人間であることを明かしてからの涙の最期など、短期間で数々の名場面を見せてくれました。
その後ジェロニモは、「完璧のマスク」の力で、生命のみ復活します。さらに、人間の神とスーパーマンロードの神から課された「スーパーマンロードの試練」を乗り越え、本物の超人となり、テリーマンのパートナーとなって「夢の超人タッグ編」試合に臨みました。ジェロニモは、恩人・スーパーマンロードの神と、新シリーズで意外な再会を果たして、名勝負を見せています。
「元人間の超人」と聞くと、やはり真っ先にジェロニモが思い浮かびますが、他にも元人間だった超人がいます。それはブロッケンJr.です。ドイツ出身の超人・ブロッケンJr.は、父・ブロッケンマンの仇であるラーメンマンとの戦いを経て正義超人の仲間入りを果たします。そんなブロッケンJr.の意外な出生の秘密が明らかになったのは、キン肉星の王位を争う「王位争奪編」でのことでした。
キン肉マンソルジャーチームの一員として戦っていたブロッケンJr.は、キン肉マンスーパーフェニックス率いる知性チームのガラス製の超人・プリズマンの「レインボー・シャワー」に苦しめられます。この光線には全宇宙の超人を死滅寸前まで追い込んだという、超人にとって有害な「カピラリア七光線」が含まれているのです。そして、キン肉マンソルジャーが捕えられ、レインボー・シャワーの餌食になろうとしたその最中、ブロッケンJr.が超人の証である帽子の徽章を外して盾となるのでした。
この時、ブロッケン一族は生まれながらの超人ではなく人間であること、そして厳しい訓練に耐えて認められることでドクロの徽章を与えられ、超人となれることが明らかになります。人間相手ではレインボー・シャワーは効果がないため、ブロッケンJr.はキン肉マンソルジャーを守ることに成功しました。
その後、人間の身体に戻ったことでブロッケンJr.がこれまで受けたダメージが噴出し、敵チームの凶悪技も食らいますが、徽章がひとりでにブロッケンJr.のもとに戻って彼は超人として復活します。その後はプリズマンを道連れに、伊吹山の渓谷に落ちていきました。
彼が人間に戻った戦いは名シーンとして人気ですが、『キン肉マン』ファンの間では、「『黄金のマスク編』のザ・ニンジャとの戦いで、ブロッケンJr.が帽子ごと徽章を外していたよね」という指摘の声もあります。あの激闘の最中も、人間に戻っていたのだろうかと疑問の声があがっていました。ただ、帽子からは徽章を外していなかっため、「プリズマン戦の時のようにブロッケンJr.の意志で徽章を外さない限りは大丈夫なんじゃないか」という意見もあります。
ジェロニモやブロッケンJr.が元人間だという展開は、多くの読者を驚かせた仕掛けでした。超人は人間を超えた存在ですが、覚悟を決めて努力すれば手が届くと示したストーリーに勇気を与えられた読者は多かったようです。
(LUIS FIELD)