『呪術廻戦』本編とはだいぶ違う? ふたつの「元ネタ」がある「両面宿儺」伝説
「呪いの王」としての両面宿儺の元ネタは?
現代ネット怪談の両面宿儺

前述のように、伝承に登場する両面宿儺は「災害をもたらす怪物」と「飛騨の人びとにとっての英雄」という二面性を持っていますが、「呪物」としての側面はもっていません。
『呪術廻戦』の「呪いの王・両面宿儺」のルーツは、巨大ネット掲示板「2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)」に投稿された現代ネット怪談ではないかと思われます。
ネット掲示板の「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」(通称・洒落怖)に2005年に投稿された話に登場する両面宿儺は、大正時代に見世物小屋に出された奇形の人間が、カルト教団によって強制的に即身仏にさせられて呪物化したものとの設定でした。
「両面宿儺」の名前がついたのは頭がふたつある姿が両面宿儺を思わせるためで、神話・伝承に登場する両面宿儺とは直接関係がありません。ネット怪談の両面宿儺は行く先々で大災害を引き起こす強力な呪物で、呪いの王としての『呪術廻戦』の両面宿儺の姿は神話・伝承の両面宿儺よりネット怪談の両面宿儺と重なります。
投稿者不明の現代ネット怪談は『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』、『ダンダダン』、『怪異と乙女と神隠し』、『裏バイト:逃亡禁止』『スケアリー・キャンパス・カレッジ・ユニバーシティ』などでも元ネタになっており、ホラーにおける新たな一大ジャンルの様相を呈しています。
今後、ネット怪談から大ヒットコンテンツの新たな「呪いの王」が誕生するかもしれませんね。
(ニコ・トスカーニ)

