「ジャンプの値段」は昔と比べてどれほど高くなったのか 「子供の変化」も影響?
少年マンガの最高峰「週刊少年ジャンプ」は、2023年現在も少年誌では一番売れていますが、部数の落ち込みで値上げの激しいこの時代、ジャンプはどれほど高くなったのか? 歴史と変遷を振り返ります。
ジャンプって今は高すぎ?

「週刊少年ジャンプ」と言えば、少年マンガ誌の最高峰ですが、子供の頃にいくらで買っていたのか、覚えているでしょうか? 現在30~40代の方々「週刊少年ジャンプ」1冊の値段は「100円台から200円ちょっと」という感覚で記憶しているはずです。
現在、「ジャンプ」の値段は「1冊290円(税込)」で、合併号だと300円を越えます。それでも他の少年誌を見ると、「マガジン」「チャンピオン」は340円(税込)、「サンデー」は360円(税込)という値段で、「ジャンプ」は安い方です。また、「たくさんのマンガが読めるから安い方」という気がしなくもないですが、週刊誌であるため1か月=4週分買うと考えると1160円かかります。単行本がおよそ2冊買えてしまうので、ちょっと考えてしまうところです。
さて、記憶のなかにある「もっと安かったジャンプ」ですが、実際の昔のジャンプはいくらだったのでしょうか?
●ジャンプの価格はこんなに変わった
ジャンプの価格は創刊以来、以下のように推移しています。
・昭和43年(1968年)
創刊当時。月2回刊行で一冊90円。
・昭和49年(1974年)
130円に値上げ。前年のオイルショックが背景にあったと考えられる。
・平成2年(1990年)
190円。前年に消費税導入。
・平成8年(1996年)
200円。大台を突破。
・平成9年(1997年)
210円。消費税5%に値上げが背景。
・平成26年(2014年)
4月の消費税8%への引き上げがあり、260円、または270円となる。
・現在
2019年10月から消費税10%となり、290から300円。合併号などの場合は少し高い。
ご覧の通り、30~40代が小学生だった頃の平成初期、ジャンプは200円前後でした。「安かったジャンプ」は、もちろん大人の脳内にしか存在しないノスタルジーではなく現実です。値上げのニュースが頻繁に報じられている昨今ですが、ジャンプの値段もその世相を反映しているようです。
さて、そうすると出版業界では大事な、「発行部数」も気になるところです。「値上がり」すると自然と「買いづらい」感情も起きてくるはずですが、こちらも如実に影響が出ており、「週刊少年ジャンプ」はピーク時となる「1995年3・4合併号」では653万部発行されていましたが、徐々に減少。2017年には200万部を割り込んでいます。1995年時点でのジャンプの価格は190円。2017年時点の価格は260円です。発行部数ともある程度連動(反比例)しているようです。