アニメ開始の69年にサザエさんたちと同い年だった有名人は? 当時の24、28歳が豪華
ギネス記録を持つ長寿アニメ作品『サザエさん』のサザエさんとマスオさんは、アニメ放送が始まった1969年のリアルタイムの同年代にはどのような人がいるのでしょうか? 現代では「老けすぎ」と言われる夫妻は、当時の芸能人と比べてどうだったのか、振り返ります。
『サザエさん』放送開始当時の有名人は?

国民的な長寿アニメ『サザエさん』のキャラクターたちが、「実はけっこう若い」というのはそれなりに有名な話だと思います。
再度振り返ると、主人公・フグ田サザエさんは24歳、夫のフグ田マスオさんは28歳です。ふたりとも若者ですが、現代の20代よりだいぶ落ち着いて見えます。既婚、子持ちということで所帯じみているのもあるのでしょうが、ふたりが設定年齢より上に見えるのは時代も関係しているのかもしれません。
「自分の両親が祖父母と同じぐらいの年になったけど、昔の祖父母より若く見える」というようなことはよくある話ですし、『サザエさん』が原作の連載開始が1946年と古い時代の作品であることも、ふたりが現代の感覚では老けて見える要因といえるでしょう。
今年2023年内にふたりと同い年になる芸能人を上げてみると、24歳女性芸能人では永野芽郁さん、橋本環奈さん、吉川愛さん、山下美月さんら、28歳の男性芸能人では、志尊淳さん、菊池風磨さん、松村北斗さん、小関裕太さん、杉野遥亮さんら、そうそうたる面々がいますが、みなさんフグ田夫妻より若く見えるのは確かです。では、『サザエさん』のアニメ放送開始当時(1969年)時点では、サザエさん、マスオさんと同い年だった有名人にはどんな人がいたのでしょうか。
●50代以上の有名人が少ない時代背景
ちなみに、疑問に思う人がいると思うので先に書いておくと、今回は波平さん(54歳)、フネさん(50~53歳)の同世代については集中的に取り上げません。なぜかと言うと、多くの人が名前を聞いてピンとくるような有名人があまりいないためです。参考までに、外国人も含め、一部を取り上げます。
・1969年時点で満年齢54歳だった有名人(1915年生まれ。波平さんと同い年)
市川崑(映画監督)
5代目柳家小さん(落語家)
イングリット・バーグマン(女優)
オーソン・ウェルズ(俳優、映画監督、脚本家)
フランク・シナトラ(歌手、俳優)
・1969年時点で満年齢50-53歳だった有名人(1916-1919年生まれ。フネさんと同年代)
いわさきちひろ(画家、1918年生まれ)
木暮実千代(女優、悪女を得意にしたバイプレーヤー。1918年生まれ)
ネルソン・マンデラ、田中角榮(政治家。1918年生まれ)
J・D・サリンジャー(作家、1919年生まれ)
色々と調べましたが、主だったところはこのぐらいです。また、『サザエさん』原作者の長谷川町子先生が惜しく、彼女は1920年生まれです。芸能、スポーツなど多くの人の前に露出する有名人は少なく、海外に目を向けるとクラシック映画のハリウッドスターや大物政治家など半分歴史上の人物みたいな存在が目立ちます。
波平さんの同世代は太平洋戦争中(1941-1945)に20代を迎える世代のため、恐らくは徴兵されて戦地で散った人も多かったのでしょう。また、フネさん同世代はまだ女性の社会進出が極めて限定的だった時代です。フネさんが10代だった1935年の高等女学校(当時の中等教育機関)進学率は16.5%だったとのデータがあります。そういった事情を考えると波平さん、フネさんの同世代に有名人があまりいないのも、当然の結果なのかもしれません。
一方、サザエさん、マスオさん世代が青年期を迎える1960年代は高度経済成長期で日本の国力も高まり、女性の社会進出も急激に進んでいます。少子高齢化の進む昨今ですが、1940年代は毎年のように出生数が200万人を超えており、絶対数も多かった時代です(ただし1944年から1946年は厚生労働省のデータが無いため不明)。
そのためか、有名人の数も多めになっています。