『サザエさん』マンガ・アニメともに出てきた「アウトなモノ」 原作にはブラックネタ満載?
今やファミリー向けアニメの代表格である『サザエさん』ですが、原作マンガやアニメのいくつかのエピソードには衝撃的な「とあるモノ」が登場しています。
令和の『サザエさん』でも描かれた衝撃エピソード

『サザエさん』(原作:長谷川町子)といえば、ほのぼのとしたファミリー向けアニメの代表的な存在です。日常的な世界のなかで、家族やご近所、友達との温かい交流を描いており、陰惨で暴力的な事件や事故などは起こらず、過激な描写もごく初期を除いてはありません。放送開始から50年以上にわたって、まったく変わることなく穏やかな笑いと安らぎをお茶の間に届け続けています。
そんな『サザエさん』には、まさかの凶々しいものが登場したことがありました。それは誰のものか分からない「白骨化した死体」です。しかも、何度も繰り返し登場しています。
近年では、2023年8月20日放送の「マスオはキャンパー」で出てきました。「マスオ」と「ノリスケ」が登山をしている途中、以前は橋がなかった断崖に橋ができていると喜んでわたろうとします。
しかし、橋に見えたものはスキー板の裏側であり、反対側には白骨化したスキーヤーの死体がくっついていた……という内容です。ただし、これはマスオの作り話であり、怖がる「カツオ」と「ワカメ」を見て笑っていたのでした。
実は原作マンガの28巻(文庫版)に、このエピソードとまったく同じものがあります。アニメ『サザエさん』は原作の4コマを本編に挿入することが多く、このエピソードも繰り返し使われていたようです。お茶の間で安心して『サザエさん』を見ていた子供たちは、突然の白骨死体の登場に驚いたのではないでしょうか。
ほかにも、原作にはブラックなエピソードが少なくありません。26巻(文庫版)には「スリラーショー(お化け屋敷)」に入ったマスオとカツオが、柳の下の首吊り死体を見て「ボクへいきだ!」「あたりまえさ!」と笑っています。
ところが警官があわててやってくると、お化けの扮装をした従業員が「えいぎょう不振のため自殺です!」と言い、マスオとカツオが震え上がるというお話もありました。『サザエさん』に死体が出てくるのは驚きですが、さすがに生々しすぎたのか、こちらはアニメ化されていないようです。
原作の『サザエさん』には、ブラックな時事ネタもあります。電話の受話器を持ち、裸のままうつ伏せで寝ているワカメを見た「サザエ」が、「うちのマリリンモンローはスイミン薬ののみすぎでも自殺でもないらしいわ」と笑いながら、布をかけてあげるというエピソードがありました。
これはハリウッドのセックスシンボルとして知られた女優のマリリン・モンローさんが、裸のままうつ伏せで受話器を握って死んでいたのが発見されて話題になったことを取り上げたものです。モンローさんは薬物の過剰摂取による、急性バルビツール中毒という検視結果が出ていました。
(大山くまお)