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「ジャンプの値段」は昔と比べてどれほど高くなったのか 「子供の変化」も影響?

マンガにお金を出して楽しんでいた子供たちは、何を買うようになったのか?

●今の子供はあまりマンガ雑誌を読まない?

そもそも子供の嗜好が変わっている?(画像:写真AC)
そもそも子供の嗜好が変わっている?(画像:写真AC)

「週刊『少年』ジャンプ」を今回のテーマにしていますが、では、「少年(子供)」=小学生は何に興味を持っているのでしょうか? 仮説ですが、ジャンプが特に売れていた平成初期と現在では小学生の興味関心も変わっていて、価格だけでなく小学生の意識の変化も発行部数に影響しているのではないでしょうか?

 ここに学研が発表している大規模アンケート調査「小学生白書」という、最適としか言いようがないデータが存在します。1989年(平成元年)と2022年(令和4年)の「小学生が何におこづかいを使っていたか?」を比較してみます。

・1989年の小学生の「おこづかい(使い道)」

 小学校全体では、1位「おかし」(27.5%)、2位「貯金」(17.5%)、3位「雑誌」(12.1%)が使い道の1位、2位、3位です。特に小学5・6年生では、「雑誌」が1位。4年生も「雑誌」が10%を越えていることが解ります。

 さらに高学年男子は、「関心があること」調査において、「マンガ」と「アニメ」の割合が高いことから、マンガ雑誌などをおこづかいで買っていた可能性が高いと考えられます。1989年はジャンプ発行部数がピークを迎えつつある登り調子の段階で、少年マンガ雑誌の最高峰である「週刊少年ジャンプ」への少年たちの関心は、相当高かったと思われます。

・2022年の小学生の「おこづかい(使い道)」

 1位「お菓子などの食べ物」47.4%、2位「貯金」42.5%、3位「おもちゃ」29.5%が、上位3位です。雑誌は上位10位内に入っていません。

 1989年調査のおこづかい使い道ランキングには、「おもちゃ」「プラモデル」などのアナログなコンテンツが10位内に入っていましたが、2022年調査ではどちらも圏外。逆に「ゲーム機、ゲームソフト」「オンラインゲーム、ゲームアプリ」「音楽映像ソフト」などデジタルコンテンツが10位内にランクインしており、嗜好が大きく変化したことがわかります。

 これは「卵が先か、鶏が先か?」のような話になってしまいますが、物価の高騰だけでなく、子供たちの興味がデジタルコンテンツに向かっていることも、ジャンプ発行部数低下に繋がっていると言えそうです。

 さて、何やらネガティブな話題ばかりになってしまいましたが、ジャンプ作品は「少年ジャンプ+」や公式アプリなど、無料で作品を楽しめる入り口が増えており、紙の雑誌を買わないと楽しめない、という状況ではなくなってきているという側面もあります。時代の変化に対応し、より多くの人に作品楽しんでもらえる仕組みを整備しながら、次のヒット作を生み出す工夫をしているというのが「ジャンプ」の現状ではないでしょうか。

 時代はどんどんコンテンツを、一部無料で配信する方向に向かっています。例えばWEBの「少年ジャンプ+」は同サイトのオリジナル作品だけでなく、『ドラゴンボール』や『キン肉マン』など過去の本誌の人気作、その他の集英社の人気作も配信しており、広告動画を再生したり無料のポイントを貯めれば、かなりのエピソードを読むことが可能です。

 人気作『チェンソーマン』も、第2部からは「ジャンプ+」に移籍。かつてジャンプで人気連載作『家庭教師ヒットマンREBORN!』を持っていた天野明先生は『エルドライブ【?lDLIVE】』以降、WEBに活躍の場を移し『鴨乃橋ロンの禁断推理』を現在「ジャンプ+」で連載中です(アニメ化も決定)。これらはすべて、「初回は全話無料」で読むことができます。

 2022年の小学生白書でも「その他」の自由記述で最も件数が多かったのは「本」「単行本」「マンガ」で、子供がマンガから興味を失ったわけではないようです。「ジャンプ+」のオリジナル作品では『SPY×FAMILY』などの大ヒット作も誕生しており、「WEB媒体への変遷」は今後のキーワードになってくるかもしれません。

(ニコ・トスカーニ)

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