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『キャプテン翼』アニメ化から40年 いつの時代も「愛される」ための絶妙な工夫とは?

国外はおろか時代をも超えて影響を与え続ける不朽の名作

2018年に放送された『キャプテン翼』を収録した、「キャプテン翼 Blu-ray BOX ~小学生編 上巻~」(ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント)
2018年に放送された『キャプテン翼』を収録した、「キャプテン翼 Blu-ray BOX ~小学生編 上巻~」(ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント)

『キャプテン翼』の功績でよく言われるのが、日本サッカー界を大きく前進させた点です。かつてはメジャーとは言い難かったサッカーの競技人口を増やし、プロスポーツとなる「Jリーグ」誕生を後押ししたと分析する有識者も少なくありません。

 当時、実際に『キャプテン翼』を見てサッカーを始めた子供の数は多く、その競技人口が2倍以上になったそうです。サッカー界の重鎮の人もこれにおどろき、個々のプレイヤーの強化よりも、競技人口を増やしてすそ野を広げた影響力を評価しました。

 さらに有名なプロ選手のなかには、「『キャプテン翼』を見てサッカーを始めた」と語る人が多くいます。この『キャプテン翼』をきっかけにサッカーを始めた選手たちは国内だけにとどまらず、海外にも多く存在しました。そういった点からも単なるブームでなく、世界を動かした作品と言えるでしょう。

 かつて、日本サッカーの得点力不足は『キャプテン翼』の影響だと言う説がありました。それは主人公である大空翼に憧れるばかりにMF(ミッドフィルダー)に優秀な人材が集まり、FW(フォワード)不足になるから……ということだそうです。

 冗談のような話ですが、それほどまでに『キャプテン翼』が日本サッカーに影響を与えていると考えている人は少なくないのでしょう。

 この『キャプテン翼』の影響力には、アニメとの相乗効果が大きく関係しています。第1作目にあたる1983年から放送されたTVアニメは、その後、50か国以上で放送される作品となりました。前述の世界のサッカー選手に与えた影響は、この作品によるところも大きいでしょう。

 さらにJリーグ誕生でサッカー熱に盛り上がった時期に放送されたのが第2作にあたる『キャプテン翼J』(1994~1995年)です。そして日韓合同開催された「2002FIFAワールドカップ」の時期には、第3作にあたる『キャプテン翼』(2001~2002年)が放送されました。『キャプテン翼』は日本サッカー界の成長とともに歩んできたわけです。

 第4作となる『キャプテン翼』(2018~2019年)では分割クール制となり、現在は『キャプテン翼シーズン2 ジュニアユース編』(2023年~)が放送中です。これらの作品の大きな特徴は、いずれも小学生時代から始まっており、時代ごとに新規の視聴者層に配慮している点です。つまり、放送される時代の子供たちを常にターゲットとしていることでしょう。

 そう考えると、世代を超えて『キャプテン翼』がサッカー人気を支え続けていることがわかります。「世代を超えて共通認識が可能な作品」という強みがあるからこそ、『キャプテン翼』は古びることない作品に位置し続けているのでしょう。

 この他にも『キャプテン翼』が大きな影響を与えた業界があります。それは同人誌界です。アニメ化による人気で、『キャプテン翼』を扱った二次創作同人誌は一大ジャンルを確立。「やおい」と呼ばれるジャンルをメジャーなものとしました。

 これ以降、女性の「ジャンプ」に対する関心は急速に高まり、後の黄金時代では強力な支えとなります。その勢いは現在も続き、少年誌でありながらジャンプ作品を愛好する女性層が減ることはありません。

 これからもサッカー界へ影響を与え続けるであろう『キャプテン翼』は、世代を超えた人気作として、いつの時代も「共通の話題」となっていくことでしょう。

(加々美利治)

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