「先に行け」発言? 「強すぎて退場」かと思った? 死亡フラグをへし折ったキャラ
マンガやアニメでは、キャラの過去編を描いたり、結婚の予定を打ち明けたりすることは、その後の悲劇を予感させる「死亡フラグ」と呼ばれています。しかし、明らかに死亡フラグが立っていたにもかかわらず、最後まで生き残った強運なキャラも存在しました。今回は、絶対死ぬと思ったのに、死亡フラグをへし折って生存したキャラを振り返ります。
死亡フラグをへし折った人類最強の兵士

物語でキャラが死ぬ場合、そのキャラの過去編を描いたり、未来への希望を見せたりすることで、悲劇を引き立たせることが多々あります。「俺、この戦いが終わったら結婚するんだ」などのセリフが有名ですが、このようなセリフは「死亡フラグ」と呼ばれ、物語に慣れた読者はそのキャラの死を予想します。しかし時に、死亡フラグを立てながらも、それをへし折って生き残った強運なキャラも存在しました。
●リヴァイ・アッカーマン『進撃の巨人』
先日アニメも最終回を迎えた『進撃の巨人』で、死亡フラグをへし折ったキャラと言えば、やはり「調査兵団」の兵士長を務めるリヴァイ・アッカーマンが挙げられます。
圧倒的な戦闘力で「人類最強の兵士」と称されるリヴァイですが、物語序盤から登場する「最強キャラ」は、展開を盛り上げるために犠牲になりがちな、危うい立ち位置です。そして、物語中盤でリヴァイの「過去」が明かされたことで、いつ死んでもおかしくないほど大きな死亡フラグが立ちました。
しかしリヴァイは、片目や指を失い、脚も満足に動かせないほどの深手を負いながらも生き残り続け、最終決戦にも参加します。最終決戦では、因縁深い「獣の巨人」を討伐して戦いの行方を見届けた後、「見ていてくれたか?」と先に逝った仲間たちに報告し、リヴァイは目を閉じました。ついに死亡フラグが回収されたかと思われた場面でしたが、エピローグで車椅子に座っている姿が描かれ、リヴァイの生存が確認されています。
ネットでは、「生き残った方が辛い状況だったため、作者が死なせなかった」「人気が出過ぎたため」など、リヴァイが死ななかった理由に関してさまざまな予想意見が上がっています。
●ヒュンケル『ダイの大冒険』
人気マンガ『ダイの大冒険』では、ヒュンケルが度重なる死亡フラグをへし折った男として有名です。ダイたちアバンの使徒の長兄として活躍したヒュンケルですが、初登場時は魔王軍に所属し、「不死騎団」の軍団長としてダイたちと死闘を演じました。
この戦いでヒュンケルは、育ての親であるモンスター・バルトスの死の真相を知り、マァムの優しさに触れて改心します。しかし、フレイザードの乱入によって、ヒュンケルはダイたちとともにマグマに囲まれ、危機に陥ったのです。
悪役から改心という、マンガでよくある死亡フラグもしっかりと立っており、自らが犠牲になってダイたちを助けマグマに沈んでいった場面は、本当に死んでいてもおかしくありませんでした。しかし、クロコダインの助けで生き残ると、その後も絶体絶命の危機を何度も乗り越え、最後まで生き残ります。特に、バーンパレスでの戦いで、ラーハルトに後を託して目を閉じた場面は、物語終盤だったこともあって、本当に死んだと思った読者が多かったようです。
●村田さん『鬼滅の刃』
ネットで死亡フラグ回避キャラとしてたびたび名前が上がるのが、『鬼滅の刃』の村田さんです。「下弦の伍」累とその家族と鬼殺隊が戦った「那田蜘蛛山編」で登場した彼は、炭治郎たちより先輩の隊士で、下の名前も出ていないモブキャラでした。
危機に陥っていたところを炭治郎たちに助けられた村田さんは、蜘蛛に操られた味方の処理を受け持って炭治郎たちを先に行かせ、その場に残りました。メインキャラであればまだ問題ありませんが、モブキャラが「ここは任せて先に行け」をやるのは、死亡フラグと言わざるを得ません。そして案の定、村田さんは敵の手で繭に囚われてしまいます。
しかし、駆け付けた蟲柱・胡蝶しのぶによって救出され、村田さんは九死に一生を得ました。死亡フラグをへし折った村田さんは、その後、一般的な隊士目線でのリアクションを見せてくれる「愛されキャラ」になり、ゲーム『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』にプレイアブル参戦するなど、モブキャラとは思えないほど確固たる地位を得たのです。
ただ、これほど人気になったにもかかわらず、最後まで下の名前が発表されなかった村田さんには、少しだけ同情の声もありました。
(SU_BU)