見逃してない? もっとヒットしてもよかったハズの23年おすすめ「実写化」映画
タイトルに負けないキャラクター・ドラマの魅力
●『君は放課後インソムニア』

2023年6月23日には、オジロマコト先生原作の実写化映画『君は放課後インソムニア』が公開されました。原作は映画より一足早く同年4月からアニメ版が放送された人気作で、「君ソム」の略称でも知られています。作品に触れたことがなくても、印象的なタイトルを目にしたことがあるという人は多いのではないでしょうか。
インソムニア(=不眠症)というタイトルが示すとおり、本作では青春モノにしては珍しく「不眠症の高校生」が登場します。奥平大兼さん演じる丸太(がんた)と森七菜さん演じる伊咲が、不眠症という悩みを抱える者同士、秘密の時間を共有する様子がどこかふわっと浮遊するような心地よいタッチで描かれました。
また主人公のふたりに加えて、家族や友人、周囲の人びととのつながりをしっかり描写しているのも特徴です。特に青春映画では忘れられがちな、丸太・伊咲それぞれの家族との関係性がドラマを支えている点も見逃せません。
ぶっきらぼうに見えて、実は妹の伊咲をしっかり案じている姉役の工藤遥さんや、男手ひとつで育ててきたゆえに丸太との距離に悩む父親役の萩原聖人さんらサポートキャストも魅力を放ちます。
●『セフレの品格(プライド) 初恋/決意』2部作
「セフレ」と聞いて、言葉のイメージから一歩引いて見てしまうかもしれません。確かに濡れ場も多くR15+指定を受けている本作ですが、年齢制限をクリアしながらスルーしてしまうのは「もったいない」と断言できる作品でもあります。
湊よりこ先生のマンガ原作の本作は「初恋」(2023年7月21日公開)と、「決意」(同年8月4日)の2部に分かれ、どちらも近年話題作を連発する城定秀夫監督が手がけています。ひとり娘を持つ抄子を行平あい佳さんが演じ、青柳翔さんが抄子の同級生の初恋相手で彼女にセフレにならないかと提案する産婦人科医・一樹に扮しました。
ふたりの濃厚なベッドシーンはなんとも艶やかですが、本作は「セフレ」という設定以上に、「品格(プライド)」にテーマが当てられていることは間違いないでしょう。バツイチ・セフレの立場にありながら女性としての矜持を持つ抄子を行平さんが好演しており、彼女が抱える苦悩と本音に共感しやすく、カラっとした肌ざわりを作品にもたらしてくれています。
なお後編にあたる『決意』には、ふたりの関係に大きな亀裂を生むじさせる若者・咲役で高石あかり(「高」は「梯子高」)さんが参戦しています。ある事情から恋愛感情・結婚願望を封印していた一樹の行動が招く、予想外の展開と結末が描かれました。
来る2024年に目を向けると、1月19日にサバイバルアクション『ゴールデンカムイ』の公開が控えているほか、鈴木亮平主演のNetflix映画『シティーハンター』の配信も予定されています。今後どのような実写化作品が注目されるのでしょうか、今後も目が離せません。
(葦見川和哉)




