『ワンピ』赤犬と黄猿が不憫すぎ! 「苦しすぎる」ふたりの現在とは
実はバーソロミュー・くまとも家族同然…

まず戦桃丸については、乱暴者として村を追われた子供だった彼をボルサリーノが拾い、ベガパンクのボディガードとして鍛え上げた過去がありました。食べたいものを聞かれ、「おにぎり!!」と元気よく答えた幼い戦桃丸の姿を、ボルサリーノは今も鮮明に覚えているようです。
さらに抹殺対象であるベガパンク本人も、ボルサリーノにとっては気心の知れた友人でした。回想シーンでは、ふたりが一緒に食事したり親しげに話したりする様子が描かれています。
そしてジュエリー・ボニーや、彼女の父親であるバーソロミュー・くまも、決して他人ではありません。かつてくまは難病を患ったボニーの治療法を求めて、ベガパンクのもとを訪れました。そしてボニーが治療を受けているあいだ、ボルサリーノ、ベガパンク、戦桃丸、くま、ボニーの5人は、大きなピザを分け合って食べたり、輪になって踊って騒いだりと、まるで家族のような時間を過ごしていたようです。
ところが、今のボルサリーノは、世界政府の命令に従うしかない海兵のひとりであるため、私情を押し殺して親友や家族のような存在だった相手を「ピカピカの実」の能力によって追い詰めています。当然その胸中にはやるせない思いがあるらしく、第1089話では「わっしは社畜だよ」と自嘲する場面もありました。
サカズキが中間管理職としての苦労を背負っているとすれば、ボルサリーノはまさに社畜として苦しんでいる最中です。どちらも同情に値しますが、現場に出て自分の大切なものを犠牲にしているという意味では、ボルサリーノの方がより「かわいそう」なキャラクターといえるのではないでしょうか。
サカズキもボルサリーノも海軍に所属しているかぎり、結局は巨大な組織のなかの歯車でしかないのでしょう。かといって海軍をひと足先に離れた「青キジ」ことクザンも、また別の苦労を強いられています。旧三大将の生き様は、正義を貫くことの大変さを体現しているのかもしれません。
(ハララ書房)


