かませ犬って言うな! 『星矢』序盤に登場 「じゃないほう」の青銅聖闘士を振り返る
マンガ『聖闘士星矢』には、星矢とレギュラーメンバー4人以外にも青銅聖闘士が登場するものの、その知名度はあまりにも低いといえるでしょう。序盤の銀河戦争に参加した「あとの5人のほう」を振り返ります。
「青銅聖闘士」は聖矢たちだけじゃない!

1985年12月より集英社「週刊少年ジャンプ」にて連載を開始した、車田正美先生のマンガ『聖闘士星矢』には、「聖闘士(セイント)」と呼ばれる女神「アテナ」を守護する戦士が登場しました。彼らにはそれぞれ守護星座がひとつずつあり、それを模した「聖衣(クロス)」と呼ばれる防具をまといます。
その聖衣には、強さの順に上から「黄金聖衣(ゴールドクロス)」「白銀聖衣(シルバークロス)」「青銅聖衣(ブロンズクロス)」とランク付けされた種類があり、本作の主人公「天馬星座(ペガサス)の聖矢」は、青銅聖衣のひとつであるペガサスの聖衣を所持しこれをまとう「青銅聖闘士(ブロンズセイント)」です。彼と同じ青銅聖闘士である「龍星座(ドラゴン)の紫龍」「白鳥星座(キグナス)の氷河」「アンドロメダ星座の瞬」「鳳凰星座(フェニックス)の一輝」は本作の主要キャラクターとして、強敵との戦いを通じて成長する姿が描かれます。
その星矢をはじめとする5人のレギュラーメンバー以外にも青銅聖闘士は存在し、物語の序盤では、所有者のいないひとつの黄金聖衣をかけて10人の青銅聖闘士が戦う「銀河戦争(ギャラクシアンウォーズ)」が描かれました。この銀河戦争に出場した、レギュラーメンバー以外の青銅聖闘士は、「一角獣星座(ユニコーン)の邪武(じゃぶ)」「大熊星座(ベアー)の檄(げき)」「海ヘビ星座(ヒドラ)の市(いち)」「子獅子星座(ライオネット)の蛮(ばん)」「狼星座(ウルフ)の那智(なち)」の5人です。うち、初戦を突破したのは蛮に勝利した邪武だけで、檄、市、那智の3人はそれぞれ星矢、氷河、一輝と対戦し敗れています。また初戦を突破した邪武も、瞬を相手に手も足も出ない状態に追い込まれてしまうのでした。
銀河戦争編で、まるでレギュラーメンバーの引き立て役のように扱われた5人の青銅聖闘士は、その後の「白銀聖闘士編」「黄金聖闘士編」「ポセイドン編」でも大きな活躍を見せることはありません。
しかしそのような彼らにも活躍の舞台が残されていました。「ポセイドン編」に続く「ハーデス編」において聖矢たちが「聖域(サンクチュアリ)」を不在にするなか、聖域を守護する邪武たち5人の姿が描かれたのです。
邪武たち5人に対しては読者から「かませ犬扱いで早々とストーリーに絡まなくなった存在」「彼らのおかげで聖矢たちの強さが際立った」などの辛口な声も聞かれますが、聖域の守護を任されるなど、聖闘士として選ばれた戦士たちであることは事実です。
原作を読み返して彼らの活躍に目を向けて見れば、意外な彼らの強さに気づけるかもしれません。
(LUIS FIELD)