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NINTENDO64に堂々とついていた「謎の端子」 使うには「勇気」が必要だった?

「はがさないでください」の警告シールに動揺?

NINTENDO64のメモリ容量を拡大できる「メモリー拡張パック」
NINTENDO64のメモリ容量を拡大できる「メモリー拡張パック」

 メモリー拡張パックを使う手順は、「64本体の接続端子カバーを取り外す」→「内部のターミネータパックを取り外す」→「接続端子にメモリー拡張パックを差し込む」というものです。大人になった今ならどうということはない作業ですが、当時10歳に満たなかった筆者にとっては少しばかりの抵抗がありました。

 というのも、64本体の端子カバーを外すと、「はがさないでください」と書かれた赤い警告シールが目に入ってくるのです。子供ながらに「本当に開けて大丈夫だったのか?」と警戒心を抱いたものです。

 メーカーの任天堂も心配になるユーザーを見越していたのか、『ドンキーコング64』の販促CMには、「警告シールは気にせずメモリー拡張パックを取り付けてほしい」というメッセージが込められていました。その映像には、筆者と同じように64本体を前にして戸惑っていた少年たちが一歩を踏み出し、自分たちでパックを交換していたのです。

 CMに勇気をもらってメモリー拡張パックを差し込むことができた……というのは出来すぎた話ですが、ほどなくして筆者も無事『ドンキーコング64』の起動に成功しました。少しばかりの勇気をもって一歩を踏み出せた経験と、ゲームを楽しんだ思い出が、24年あまり経った今もなお脳裏に焼き付いています。

「64」はユニークな周辺機器の宝庫だった?

 64の周辺機器には、ほかにもユニークな製品がありました。その代表例が、本体ではなくコントローラーに装着する「振動パック」と「64GBパック」です。

 振動パックは、『スターフォックス64』発売時に登場しました。単4アルカリ乾電池2本で動作し、「ゲーム内のシチュエーションに合わせてコントローラーが震える」という、世界初のフォースフィードバック機能でユーザーを驚かせました。今でこそ当たり前となったコントローラーの振動機能を広く普及させた周辺機器です。

 64GBパックの方は、振動パックから約1年後に登場しました。専用スロットにゲームボーイ(以下、GB)用ソフトを差し込み、GBパックに対応した64用ソフトとスロット内のGB用ソフト間でデータのやり取りが楽しめました。

「GB版で育てたキャラクターを64のゲーム作品で使う」といった用途がメインですが、「ポケモンスタジアム」シリーズではGB版の「ポケットモンスター」作品をゲーム内で立ち上げることができました。イメージとしては、スーパーファミコンでGB用ソフトをプレイする周辺機器「スーパーゲームボーイ」に近かったと言えるでしょう。

 64は今年2024年で発売から28周年を迎えますが、現在でもNintendo Switch向けに64の名作ゲームが配信されています。今回紹介した64の「メモリー拡張パック」が必須なゲームは、『ドンキーコング64』のほかに『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』と『パーフェクトダーク』がありましたが、2024年3月現在は『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』のみ遊ぶことができます。

(龍田優貴)

【画像】「えっ…色が派手?」これが「NINTENDO64」謎の拡張パック装着の様子です(10枚)

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