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『マジンガーZ』主役から三枚目へ…シリーズ重ねるたび小者になる「兜甲児」を追う

『グレートマジンガー』では甲児の再登場で予期せぬ悲劇に

「グレートマジンガー VOL.5〈完〉」(東映ビデオ)
「グレートマジンガー VOL.5〈完〉」(東映ビデオ)

 主人公の座を鉄也へと明け渡した甲児は、やがて『グレートマジンガー』の第53話にてアメリカから帰国し、再び「マジンガーZ」に乗り込み「グレートマジンガー」をサポートすることになります。ところが甲児が帰ってきたことで、思わぬ波紋が生まれ取り返しのつかない事態になってしまいました。

 ことの始まりは、孤児である鉄也が、再会した兜親子の関係に嫉妬したことです。戦闘経験は豊富なものの、ロボットの性能も操縦能力も格下のうえ、年下である甲児の意見に、鉄也は耳を貸そうとしません。

 このことが、結果的に「グレートマジンガー」と鉄也の危機を招きます。その鉄也を助けるために、甲児の父である「兜剣造」博士は、本作の主人公側拠点であった「科学要塞研究所」の上部管制部ごと敵要塞に突入して、命を落としてしまうのでした。

 かくしてミケーネ帝国は滅亡したものの、鉄也は重傷を負い、そして甲児は円盤に関する論文を提出するためNASAに向けて旅立つ、というのが、物語の幕切れです。通常、ヒーローもののアニメや特撮では、前作の主人公は先輩としてリスペクトされるものでしょう。しかし、鉄也は甲児を軽んじていたために、後味の悪い結末になってしまいました。

 続く『UFOロボ グレンダイザー』では、甲児の小者化にさらに拍車がかかります。そもそも本作において、甲児は「マジンガーZ」に乗ることができませんでした。というのも『グレートマジンガー』の最終回において、「マジンガーZ」および「グレートマジンガー」は、平和のシンボルとしてロボット科学博物館へ保管されていたからです。

 2002年に刊行された双葉社のムック本「魔神全書 MAZINGER BIBLE」には、「ひとつの作品にふたりの主人公では、物語が作りにくい、ということが懸念されたのだ。(中略)最終的には脇役に徹するという位置づけの元に、(甲児の)登場が決定された」とあります。甲児が「マジンガーZ」に乗ってしまうと、主人公「デュークフリード」が霞んでしまうための配慮でしょう。甲児はNASAのUFOセンターでの研究を活かし、地球製UFOである「TFO」を完成させて乗り込みます。

 デュークフリードは、「ベガ星連合軍」に滅ぼされた「フリード星」の生き残りです。本来は戦いが嫌いなのにやむを得ず「グレンダイザー」に乗り込み「円盤獣」と戦います。影のあるミステリアスなデュークフリードと一緒にいると、単純明快な甲児のキャラは能天気に見えても仕方ありません。

 結果的に甲児は、『マジンガーZ』や『グレートマジンガー』において甲児の弟である「兜シロー」や、「ボスボロット」に乗り込む「ボス」などが務めた、いわゆる「三枚目」の引き立て役を担うことになりました。それでも物語後半になると甲児は、新飛行メカ「ダブルスペイザー」に乗り込み、「グレンダイザー」と合体してデュークフリードをサポートするようになっています。

 時が経ち、2024年には『グレンダイザー』のリブート版であるTVアニメ『グレンダイザーU』が放送予定です。主人公のデュークフリードはもちろん、兜甲児も登場します。リブート版の甲児はオリジナルのように後ろへ控えることなく、「マジンガーZ」に乗り込んで活躍を見せてくれそうです。

(LUIS FIELD)

【画像】「えっ…三枚目ではなさそう?」こちらがだいぶシュッとしたリブート版『グレンダイザーU』の「兜甲児」です(8枚)

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