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『前田建設ファンタジー営業部』生みの親語る(2)「建設業はバーチャルで何ができる?」

建設業界にハマるタイプの人とは?

機械グループ部長のフワ(六角精児)はベテラン社員としてドイに大きな影響を与える。映画『前田建設ファンタジー営業部』より
機械グループ部長のフワ(六角精児)はベテラン社員としてドイに大きな影響を与える。映画『前田建設ファンタジー営業部』より

――建設業界は理系の世界だと思っていましたが、お話をお聞きしていると物づくりに大切なのはひとりひとりの人間がもつ熱い心なのかな、という気がしてきました。

岩坂 建設業は「人」が好きな人じゃないと、しんどいと思います。建設の現場にはいろんな人がいるんです。発注者の意向をきちんと聞かなくてはいけない、優れた技術者を納得させなくてはいけない、ジョイント・ベンチャー(JV)といって、他社の方たちと一緒に仕事をする機会も多く、また現場近隣の住民の皆様のクレーム対応も重要です。

 建設業には試作品がなく、1回1回が勝負になります。最新の技術をどう活かすか、リスクにどう対処するかも考えなくてはいけません。映画と違って、現実ではコストダウンも重要になります。でも、そういったことを「面白い」と感じる人なら、すごくハマる業界だと思います。

――映画の主人公である若手社員のドイ(高杉真宙)は、最初はクールキャラですが、「ファンタジー営業部」に参加して、次第に熱い男になっていきます。

岩坂 もちろん、建設業には理詰めで考える職人タイプも必要なんですが、周囲を巻き込んでいける人間のほうがより楽しめるでしょうね。広報グループのドイは、機械グループのフワ部長(六角精児)からレクチャーされていくうちに変わっていきますよね。

 実際に私もそうでした。シールドトンネルの技術開発に参加した際には、フワさん的な師匠筋になる先輩社員たちからいろいろなことを学んだんです。それらを自分の中で咀嚼して、新しいノウハウを生み出していく。そこがまた面白いところです。建設業はドイツのマイスター制度と似ている部分があるかもしれません。

現在の部署は、リアル「ファンタジー営業部」?

インタビューに応える、前田建設の岩坂照之さん(マグミクス編集部撮影)
インタビューに応える、前田建設の岩坂照之さん(マグミクス編集部撮影)

――岩坂さんは現在、前田建設の「ICI総合センター ICIラボ インキュベーションセンター」のセンター長。どのような業務なのでしょうか?

岩坂 分かりやすく説明すると、リアル「ファンタジー営業部」のような部署です。「ファンタジー営業部みたいな面白いことをする前田建設と一緒に何かをやりたい」という異業種のベンチャー企業の方たちと、新しいビジネスを創り上げていくのがICI総合センターです。その窓口的な業務をやって1年半になったところです。「ファンタジー営業部」はあくまでも副業だったんですが、ようやく本業に結びついたのかなと思っています。

 これからは建設業も変わっていくことになると思います。現実世界にどんな構造物をつくるかが建設会社の仕事だったのですが、バーチャル世界の発達や地球環境問題など考えると、必ずしも現実世界に形あるものをつくる必要はないというケースも出てくるでしょう。

 これからの建設会社はリアルな世界で何ができるのか、またバーチャルな世界では何ができるのか、もしくはその中間の世界ではどうなのか。他業種の若い方たちから刺激をもらい、その可能性を探っているところです。『ファンタジー営業部』が映画化されたように、また面白い物語になるといいなと思っています。

――映画の公開初日はどうしていますか?

岩坂 家族みんなで映画を観る予定です。一般のお客さんにはこの作品、すごく笑えるコメディだと思いますが、同じ建設業の人と映画を肴にしてお酒を呑むと、かなり異なる視点で盛り上がるでしょうね。会社は違っても、仕事の面白さやこだわりは同じだと思うんです。建設業の人にも、建設業に興味のない人にも、映画『前田建設ファンタジー営業部』をぜひ楽しんでほしいですね。

(長野辰次)

●映画『前田建設ファンタジー営業部』
2020年1月31日(金)より全国ロードショー

配給/バンダイナムコアーツ、東京テアトル
(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

【画像】実際には造らないが迫力満点!な「ファンタジー営業部」の活躍(10枚)

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