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『ガンダム』可変モビルスーツが廃れたワケ 連邦が低コスト機に舵を切った要因は?

『機動戦士Zガンダム』では主人公機の「Zガンダム」をはじめ多くの「可変モビルスーツ」が登場するものの、その後のシリーズでは数を減らしていきます。なぜ可変モビルスーツは廃れたのでしょうか。

可変機は便利だがコストが高い

『ZZ』のころの「Z」を立体化。「HG 1/144 ゼータガンダム[U.C.0088]」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
『ZZ』のころの「Z」を立体化。「HG 1/144 ゼータガンダム[U.C.0088]」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

『機動戦士Zガンダム』及び『機動戦士ガンダムZZ』には数多くの可変MS/モビルアーマー(MA)が登場し、様々な活躍や危機を演出していました。特に『Z』序盤に登場し、圧倒的な飛行性能の高さを生かして主人公「カミーユ・ビダン」の「ガンダムMk-II」や「アムロ・レイ」の「リック・ディアス」と互角に戦う敵MS「アッシマー」の姿は印象深いものでした。その後も「Zガンダム」や「メタス」、「ガブスレイ」に「ハンブラビ」「ギャプラン」など、さまざまな機体が登場し激闘を繰り広げていたものです。

 しかし続編『機動戦士ZZガンダム』になると可変機は「ZZガンダム」と、合体機構を持つ「バウ」を除けば、「ガザC」及び「D」、「ガ・ゾウム」らガザ系モビルスーツに限られるようになり、その出番も大幅に減少しています。

 なぜ、可変機が数を減らしたのかといえば、整備性の劣悪さという根本的な問題を抱えているためです。特に『Z』時代は、可変機に戦況を左右しうるエースパイロットが搭乗していることも多く、万一、不具合でもあれば取り返しがつかないため、わずかな不具合が発生しても機体をバラシてフルメンテを行なう必要がありました。エースパイロット用の特別待遇だからなんとか整備体制を維持できたのであり、大量の可変機運用は難しい問題を抱えています。

劇中、とにかくわらわらと登場していた姿が印象的。「HG 1/144 ガザC」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
劇中、とにかくわらわらと登場していた姿が印象的。「HG 1/144 ガザC」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 なお、「アクシズ(ネオ・ジオン)」の「ガザ」シリーズは大量に運用されていますが、元々作業用として開発した機体を戦闘に転用したため、生産性と整備性に優れているという側面があります。その代償として運動性の悪さと格闘性能の低さ、耐久性に劣悪さを抱えており、エースパイロット向きの機体ではありません。

 ただし火力は高く機動性は高いため、集団で戦場に到着し、一斉砲撃を行なうことにより敵モビルスーツを大量に撃破したシーンも存在します。これにより、練度の低いパイロットでも十分戦力化できることが証明され、地球連邦軍は第一次ネオ・ジオン戦争以降、低コストのモビルスーツ開発に力を入れるようになりました。可変機の戦果が、逆に可変機の居場所を奪うきっかけとなってしまったのです。

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