『ガンダム』第1話で即旧式化 なぜ「ザクII」の武器は最後までショボいままなのか?
なぜ「もう少しマシな武器」を持てなかったのか

これらザクIIの武器を俯瞰すると、いずれもいわゆる「ビーム兵器」ではないことに気づきます。ガンダムに対抗できるとすれば、ビーム兵器を扱うことがポイントになりますが、「ジオン軍のMS」がビーム兵器を扱えるようになったのは一年戦争の終盤であり、それはたとえば「ギャン」の「ビーム・サーベル」、「ゲルググ」の「ビーム・ライフル」と「ビーム・ナギナタ」が挙げられるでしょう。
それらビーム兵器をMSで扱うには、クルマでいうところのエンジンにあたるジェネレーター(熱核融合炉)の十分な出力が必要になります。ビーム兵器を扱えるガンダムのそれに比べ、ザクIIのものは数段、劣っており、ひいてはビーム兵器を扱えるMS用ジェネレータを、ジオン軍はゲルググ(やギャン)まで作れなかったということです。
「作れなかった」と書きましたが、「必要ではなかった(から作る必要がなかった)」とも考えられます。というのも、ザクIIが実戦投入された開戦当初、対応すべき敵兵器はおもに従来の艦艇や航空機、戦車などであり、MS、ましてや「実弾兵器が通用しない」装甲のMSなどは想定していなかったはずだからです。
では、ビーム兵器の登場や、実弾兵器が通用しない装甲の登場により、ザクIIが一気に陳腐化したのかというと、そうとも言い切れません。ガンダムにはまったく歯が立たないとはいえ、おもに相対するのは旧来の艦艇や、「ジム」「ボール」といった「そこまで固くない」量産機などだからです。
また、現実においても「ハイローミックス」という言葉があるように、ハイスペック機とロースペック機が並行して配備されることはままあります。それはハイスペック機の調達が追いつかないという意味合いよりも、多少性能に劣っている兵器にも使い道がある、という意味合いのほうが強いものです。
とはいえ、スペックや武器で圧倒的に不利なザクIIに搭乗し、一年戦争最終盤の戦いに臨んだパイロットの勇気は、称賛に値するのではないでしょうか。
(LUIS FIELD)




