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『鬼滅の刃』天才剣士は無一郎でも善逸でもない? 伊之助の驚くべきポテンシャル

自分で「呼吸」を生み出した?

画像はTVアニメ『鬼滅の刃』 第7巻(アニプレックス) (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
画像はTVアニメ『鬼滅の刃』 第7巻(アニプレックス) (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 呼吸法は簡単に習得できるものではありません。炭治郎は水の呼吸のマスターで、元「水柱」である「鱗滝左近次」のもとで1年ほど修行を積んだ後、最終選別へ挑戦することを許されました。炭治郎ほどの努力家でも、確立された呼吸法を使えるようになるのに長期間の訓練が必要なのです。「我妻善逸」も雷の呼吸を使えるようになるまで、嫌々ながらも相当な訓練を積んでいました。わずか2か月で柱になったという無一郎も、炭治郎のように指導を受けています。

 ところが伊之助は師匠を持たず、独力で呼吸法を生み出したのです。

 しかも最終選別などの情報を聞き出したときに呼吸法の存在も知ったとしたら、かなり短い期間で獣の呼吸を生み出した可能性が高いといえます。荒山育ちで感覚が鋭いとはいえ、それだけで呼吸法を生み出せるとは思えません。明らかに伊之助には天賦の才能が備わっています。

●伊之助の才能の正体

 伊之助の才能の正体は、高度な学習能力や直感力にあると思われます。剣術や呼吸法を独自に生み出したことに加えて、炭治郎たちと関わり始めてから短時間のうちに人間らしい情緒を身に着け、難しい単語が含まれる言葉を操り始めました。イノシシ人間めいた伊之助が急速に人間らしくなっていく様子から彼の「地頭の良さ」が分かります。

 また悲鳴嶼に会って、手合わせしないうちから鬼滅隊最強と直感したのも見事です。野生動物は相手の強さを見抜くのでしょう。

 文字を読めない、礼儀作法を知らないなど、伊之助はともすると、あまり賢くないイメージを持たれているかもしれません。しかしそれは、特殊な生い立ちによるものです。もしかしたら鬼殺隊で最も知的ポテンシャルが高いのは伊之助かもしれません。

●才能は遺伝する?

 これまで述べてきたように、伊之助にはとんでもない才能が宿っています。そしてその才能は子孫にも遺伝したようです。マンガ『鬼滅の刃』の最終巻には、伊之助と「アオイ」の曾孫である植物学者の「嘴平青葉」が登場します。青葉は伊之助譲りの甘いマスクで、そのルックスもあってか「年に2、3日、日中だけ花を咲かせる」青い彼岸花の研究が有名になり、ニュースに取り上げられていました。

 おそらく伊之助の学習能力や直感力が青葉にも受け継がれており、その才能が平和な時代に戦いではなく研究に向けられたのだと思われます。

 メキメキ強くなっていく炭治郎や、最年少かつ短期間で柱になった無一郎の影に隠れてしまっていますが、実は伊之助こそ隠れた天才剣士ではないでしょうか。

(レトロ@長谷部 耕平)

【画像】えっ、怖っ! これがリアルすぎるイノシシをかぶった伊之助です(3枚)

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