劇場版『キン肉マン』公開から40年 原作者自らが演じたキャラが大人気になったワケ
劇場版『キン肉マン』で忘れられないキャラ「ウコン」

劇場版『キン肉マン』といえば、窮地に陥った「キン肉マン」を助けるために正義超人の仲間たちが駆けつけ、その友情に支えられながらも最終的にキン肉マンがラスボスに逆転勝ちを収めるという、王道的な展開が魅力でした。
この黄金パターンともいえる作劇が観客の心をつかみ、結果がわかっていながらも楽しめるというドラマ作りに貢献します。これは何も『キン肉マン』だけに限らず、その後の東映まんがまつりで上映された作品群にも受け継がれていました。
これはどんな作品でもそうですが、もっともカタルシスを得る展開とは、ピンチの後に爽快な逆転勝利があることです。そういう意味では劇場版『キン肉マン』で確立したパターンが、東映まんがまつりで上映された後世の作品群に多大な影響を与えたと考えられるでしょう。
ただし、ほかの作品では受け継がれなかった『キン肉マン』独特のパターンもありました。それが劇場版『キン肉マン』に必ず登場することになった敵役「ウコン」です。このウコンが名前を間違えられるというのが、劇場版『キン肉マン』では鉄板のギャグとなりました。
もともとウコンは原作のマンガ版『キン肉マン』にも登場したキャラクターです。コミックス第2巻に収録されたエピソードに登場した怪獣で、この時に登場した「オクトバスドラゴン」や「ハリゴラス」と共に、名前だけ使われた形で劇場版第1作に登場しました。ちなみに原作マンガ的には「第20回超人オリンピック」開催直前で、「怪獣退治編」といわれている頃のエピソードです。
このウコンとのやり取りが好評だったのか、後の劇場版でも再登場を果たし、すべての劇場版で「お約束」のギャグとして組み込まれることになりました。ちなみに、このウコンの声は劇場版第3作『キン肉マン 正義超人vs古代超人』から第6作『キン肉マン ニューヨーク危機一髪!』まで、原作者である「ゆでたまご」先生のふたりがつとめています。
こういったギャグありバトルありの目まぐるしく物語が硬軟に展開するのがアニメ版『キン肉マン』の魅力でしょうか。そのエッセンスを凝縮した劇場版は、もっと各超人の活躍が観たいと思わせるくらいの絶妙なサジ加減だったと思います。この絶妙さが、TVアニメとの相乗効果になったのではないでしょうか。
原作の良さを受け継ぎつつもオリジナルギャグを挟んで独特の雰囲気を作ったTVアニメ版『キン肉マン』、アニメオリジナルゆえに先が読めない展開で興奮させた劇場版、ともに『キン肉マン』という作品をアニメで支えた名作ぞろいと思います。
※『The・かぼちゃワイン ニタの愛情物語』の「・」は、正確にはハートマーク
(加々美利治)





