「ジオング」の「脚」はホントに無駄なのか? 独自理論AMBACとその実用性
AMBACはホントに有効なの?

ではガンダムユニバースの独自理論であるAMBACは、リアルでも有効なのでしょうか。本当に効果的なのであれば、姿勢制御の際の推進燃料を節約したい宇宙探査機にも脚に該当するパーツがあるはずです。
実はこの点についてもすでに検証がされており、無重力下で推進方向を変化させようと能動的に手足を振り回すと体が逆に回ってしまうため、軌道は変わらないという結果が出ています。
残念な検証結果ですが、一方でモビルスーツの場合、脚部にスラスターを備える機体もあり、それらとAMBACの組み合わせは有用そうに見えます。脚部になくとも体を回転させることで希望の方向に機体のスラスターを素早く向ける、といったことも可能でしょう。重いものを振りまわすことによって生まれる慣性だけでなく、スラスターの角度を調整しつつ、格闘にも使える部位と考えれば、脚があることにも一定の合理性が見出せるのではないでしょうか。
もっとも、オタキングとして知られる元ガイナックス社長の岡田斗司夫さんは、自身のYouTubeチャンネルで、ジオングに脚は不要との意見を述べています。AMBACの実用性を考慮しても脚がないジオングにはおそらく(姿勢を制御するための)ジャイロが入っているはずなので問題ない、そもそも首だけになって飛ぶというのは富野由悠季なりの「平将門」であり、あれはジオンの亡霊である、とのことです。
●シャアはどう思っていたのか?
ちなみにジオングに搭乗するシャア本人の考えについては、富野監督による小説『密会 アムロとララア』で「シャアはジオングの形状に不安を持っていた」と明記されています。なぜかと言うと、「有機体が想像した究極の形は、あらゆる意味で最高の柔軟性を持っている。それを機械的に最高の性能を発揮させることが難しくても、人型という造形の意味はうしなわれることはない。だから、至高の形を与えられた人は、その形を謙虚にうけいれて、その形をつかわなければならなかったのだ」とのことです。
シャアは人型の柔軟性が失われることを嫌っていたようで、やはり足のついたモビルスーツの方が信頼できたようです。そもそもシャアが「赤い彗星」の異名を獲得したのは、撃墜数だけでなく、岩石を蹴りながら加速していく操縦テクニックも大きく影響しています。
シャアはジオングを除いて非・人型のMSに搭乗したことはありません。モビルスーツの戦闘力はパイロットと機体性能の総合力です。機体だけでなく、パイロットとの相性も重要なファクターだといえるでしょう。シャアとの相性といった意味でもやはりジオングに脚はあったほうが良かったと思われますが、みなさんはどのように思いますか。
(レトロ@長谷部 耕平)




