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『ガンダム』だけじゃない「Beyond The Time」 アルバムで見せるもうひとつの顔とは

アニメ『ジークアクス』の放送を受け、「Beyond The Time」がトレンド入りし、また新バージョンの配信も告知されています。『逆シャア』のイメージが強い楽曲ながら、アルバムではまた別の顔も見せていました。

小室哲哉&小室みつ子によるマスターピース!

『CAROL ~A DAY IN A GIRL’S LIFE 1991~』(EPIC/SONY RECORDS)ジャケット。CD、カセットテープ、LPレコードに加え、後年にはMDでもリリースされた
『CAROL ~A DAY IN A GIRL’S LIFE 1991~』(EPIC/SONY RECORDS)ジャケット。CD、カセットテープ、LPレコードに加え、後年にはMDでもリリースされた

「令和の深夜に『Beyond The Time』…だと…!?」

 2025年6月18日、未明よりSNS上では「Beyond The Time」がトレンド入りしています。これは同日(17日深夜)にTV放送されたアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』第11話エンディングにて、TM NETWORK「Beyond The Time(メビウスの宇宙を越えて)」が流れたことを受けてのものです。

 同曲は映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のエンディング曲でもあります。作詞は小室みつ子さん、作曲は小室哲哉さんです。「アムロ・レイ」と「シャア・アズナブル」の決着を彩ったことでも知られ、「ガンダム」シリーズのファンのあいだでは、『逆襲のシャア』、ひいてはアムロとシャアの物語を象徴する楽曲ともいえるでしょう。

 この「Beyond The Time」は、1988年3月5日に発売されたTM NETWORK13枚目のシングルであり、同年12月9日に発売された6枚目のアルバム「CAROL ~A DAY IN A GIRL’S LIFE 1991~」の収録曲でもあります(アルバムはEXPANDED VERSION)。シングル単体では『逆襲のシャア』のイメージが強いかもしれませんが、アルバム「CAROL」のなかの1曲としては、また別の側面を見せる楽曲でもありました。

 それはこのアルバム「CAROL」が、盗まれた「音」を取り戻すため異世界をさまよう「キャロル・ミュー・ダグラス」という少女の物語をモチーフとしたコンセプトアルバムであり、「Beyond The Time」もまたキャロルの物語を表す1曲だからです。

 アルバムは「A Day In The Girl’s Life(永遠の一瞬)」に始まり、「Beyond The Time」は6曲目に配されています。12曲目「Just One Victory(たったひとつの勝利)」でクライマックスを迎え、最後の13曲目「Still Love Her(失われた風景)」はまさにエンディング曲といった風情でした(以上はCD版より、また個人の感想が含まれます)。実際、「Still Love Her」はTVアニメ『シティーハンター2』のエンディング曲にも使用されています。

 キャロルの物語は、のちにTM NETWORKのメンバー、木根尚登さんにより小説『キャロル』として発表されました。同作は木根さんの、小説家としてのデビュー作です。

 ちなみにアルバム「CAROL」には、イラストレーション&キャラクターデザインとして佐々木洋さん、ビジュアルコーディネートとして井上博明さん、ビジュアルディレクターとして前田真宏さんと貞本義行さんという、ガイナックス(当時)のメンバーがクレジットされています。

 なお、「BEYOND THE TIME(メビウスの宇宙を越えて)-2025 Version-」が、6月19日0時より、各音楽ストリーミングサービスより配信開始になります。『ジークアクス』第11話放送終了後、こちらをアナウンスしたTM NETWORKオフィシャルXアカウントの投稿には大きな反響の声が寄せられていました。

(マグミクス編集部)

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