欠番扱いの“幻回”も ドラマ『サイコメトラーEIJI』容赦なかった凄惨な事件たち
『金田一少年の事件簿』や『銀狼怪奇ファイル』など、かつて土曜21時の日テレ枠は、トラウマ級ドラマの宝庫でした。松岡昌宏さん主演の『サイコメトラーEIJI』も、「よく放送できたな」と思える衝撃作のひとつです。その過激な内容を覚えていますか?
幻の欠番回、あらすじを聞いて納得…

かつて土曜日21時の日本テレビのドラマ枠は、「トラウマの宝庫」と呼ぶにふさわしい時間帯でした。放送規制がそれほど厳しくなかった当時は、今では考えられないような残虐シーンが堂々と地上波で放送されていたのです。
その代表例として『金田一少年の事件簿』や『銀狼怪奇ファイル』がよく挙げられますが、松岡昌宏さん主演のドラマ『サイコメトラーEIJI』も、負けず劣らずのインパクトを放っていました。今あらためて見返すと、その過激さに衝撃を受けるでしょう。
本作は「週刊少年マガジン」(講談社)で連載された同名コミック(原作:安童夕馬、作画:朝基まさし)を原作に、1997年に実写ドラマ化されました。高校生の「明日真映児(演:松岡昌宏)」は、触れた物の残留思念を読み取る「サイコメトリー」能力を持つ青年で、その力を使って刑事の「志摩亮子(演:大塚寧々)」とともに難事件に挑んでいきます。
まず驚かされるのが、主要キャラクターに関わる人物たちへの容赦のなさです。例えば最初の事件「殺人鬼メビウス」編では複数の女子高生が命を落とし、そのなかには映児のクラスメイトも含まれていました。「時計じかけのリンゴ」編では映児の友人「田宮章吉(演:井ノ原快彦)」のいとこが爆発事故に巻き込まれて死亡し、さらに志摩刑事の恩師や友人までもが殺害されていきます。
「狙われたアイドル」編でも、映児の昔なじみだった4人のうち3人が刺殺され、ほんのさっきまで主人公たちと談笑していた人物たちがつぎつぎに命を落としていくのです。そうした非情なストーリー展開が、物語全体の緊張感を一気に高めていました。
加えて犯人の動機や犯行手口も常軌を逸したものばかりです。なかでも印象的なのが「殺人鬼メビウス」編で、この事件の犯人は女子高生の制服を前後逆に着せて殺害し、現場に紙で作ったメビウスの輪を残すという異様な犯行を繰り返します。
この異常な行動の裏には、犯人が幼少期に経験したトラウマが影響していました。メビウスの輪を教えてくれたセーラー服の少女「ユキ」が交通事故に遭い、首が180度ねじれたまま亡くなるという衝撃的な事故の光景が、犯人の歪んだ欲望の原点だったのです。事故の瞬間はドラマ内でも克明に描かれており、ユキ役を演じたのは当時まだ10代の栗山千明さんでした。
そして最も凄惨だったのが、第3の事件として放送されたCASE3「ボクを殺さないで」です。現在ドラマは配信サイト「Hulu(フールー)」で視聴可能ですが、このエピソードだけは「権利上の都合」により欠番扱いとなっており、DVD化もされていません。そのため視聴する手段がほとんど存在しない、幻のエピソードと化しています。
その衝撃的な内容とは、小学生の少年がバス車内で、同乗していた同級生や教師を皆殺しにしていくというもの。犯行の動機には「植物状態の兄の生き霊に取り憑かれていた」という超常的な理由が示されていましたが、それを差し引いても強烈なインパクトを残すエピソードでした。
しかもこれらのエピソードは深夜ではなく、土曜日の21時に放送されていたというから驚きです。当時のTV表現の過激さはもちろん、それを真正面から受け止めていた視聴者の耐性の高さには、あらためて感嘆せざるを得ません。
※画像は2021年に放送されたタクティカルRPG 『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争』(スクウェア・エニックス)で、松岡さんの「その人生と向き合う覚悟はあるか」という声で締めくくられるTVCM「人生の選択 松岡昌宏」篇
(ハララ書房)
