劇場版『鬼滅の刃』も被害…あの“映画泥棒CM”もあるのに「盗撮」が後を絶たないワケ
ハリウッド映画と同じ「悩み」を抱えるようになった日本アニメ

SNSに違法な盗撮画像をアップロードする目的は、第一にバズ狙いと考えられます。『鬼滅の刃』は人気コンテンツですから、世界中に早く観たいと思っている人が大勢いいます。そのためにバズりやすく、有名作品ほど狙われやすいと言えます。
バズを作ってフォロワーを増やして、有料サイトに誘引するなど、利益目的のアカウントもあるでしょうが、かなり気軽に盗撮している映像が近年は目につきます。重い刑罰がつくことを意識していないように思えてきます。
特にいまのタイミングは、本作は日本でしか公開されておらず、世界中のファンが待たないといけない時期です。そうしたタイムラグはバズを稼ぎやすく、ハリウッド映画も本国公開直後に、同じような違法アップロード動画があふれます。
こうした悩みは、これまでならハリウッド映画で顕著でしたが、日本アニメの人気がグローバルに広がり、『鬼滅の刃』ほどの人気作は同じ問題に直面するようになったと言えるでしょう。
これを解消するためにハリウッドでは世界同時公開する作品もあります。タイムラグを無くすことで、違法動画を観る人を少しでも減らそうということですが、それでも撮影をする人間は世界中にいるので、なかなか根本的に解決するのが難しい問題です。
また、盗撮画像がSNSに流れ来るのは、ネタバレしてほしくない人にとっては、迷惑以外の何ものでもありません。法律的にも問題であることはもちろん、人の迷惑を顧みていないという点で倫理的にも問題がある行為です。
映画館内は静かにしていなければならず、観客は映画に集中したいため、違法な撮影者を見つけても注意しにくいというのもやっかいです。映画館内にも監視カメラはあるのですが、全てを見通すことは難しいのが正直なところで、見回りを強化したら、観客の気が散ってしまうほか人件費の問題もあります。
こうした物理的な対策の限界を考えると、やはり根本的な解決には観客の意識や価値観の変化が必要かもしれません。
個人的な体験として、スマートフォンやモニターで観る映像と劇場で体験する映像では、感動の深さに大きな違いを感じます。制作陣が込めた想いや技術は、映画館の環境でこそ最大限に伝わるように作られているからです。
すぐに効果が表れるわけではありませんが、こうした映画館ならではの体験価値が広く知られることで、違法アップロードを求める人が減り、ひいては利益目的やバズ狙いの投稿も減少していくのかもしれません。
(杉本穂高)

