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『あんぱん』120話で手紙を送ってくる琴子は今どうしてる? 「結婚」「再登場」あるのか、モデルの人物は

朝ドラ『あんぱん』120話では、のぶの同期だった琴子から手紙が届くようです。

琴子は結婚したのか

琴子役の鳴海唯さんプロフィール写真
琴子役の鳴海唯さんプロフィール写真

『アンパンマン』の作者、やなせたかしさんとその妻の暢(のぶ)さんの人生をモデルにした物語のNHK連続テレビ小説『あんぱん』119話では、主人公「柳井のぶ(演:今田美桜)」と「柳井嵩(演:北村匠海)」が、「高知新報」時代の上司「東海林明(演:津田健次郎)」と再会し、感動的な場面が描かれました。

 東海林は同話で高知に戻ってしまいましたが、続く120話ではのぶと同期入社の記者だった「小田琴子(演:鳴海唯)」から、手紙が届き、東海林が柳井夫妻のもとを訪ねた本当の理由が明かされるそうです。手紙の内容も気になりますが、琴子が今後手紙だけでなくのぶたちと再会するのかどうかも注目が集まります。

 琴子は最初は婚活目的で高知新聞に入って、のちに仕事に面白さを見い出していましたが、1973年時点ではどうなっているのでしょうか。「史実」を見てみましょう。

 琴子のモデルになった人物は、1946年2月に暢さんと一緒に高知新聞に女性記者として採用された、深田貞子さんです。採用試験を受けたのは31人、受かったのはふたりだけでした。

 当時、暢さんより5歳下の22歳だった深田さんは、入社してから数か月は暢さんと高知県庁と高知市役所担当の記者として働きます。満州からの引き揚げ者の取材や、GHQの会見にも行ったほか、暢さんが異動し、あとから入社したやなせさんと出会った雑誌「月刊高知」創刊号(1946年7月号)の記事も手伝ったそうです。

 東京の女学校を卒業したのち、医者か教師を目指していた深田さんですが、戦後になって女性の国会進出が推奨されるようになったなかで、記者の仕事をしたいと思い、高知新聞の採用試験を受けました。

 その後、暢さんは東京で代議士の秘書になるために1946年末に高知新聞を退社、そして深田さんも入って1年ほど(1947年の1~3月あたりか)で辞めたという記録が残っています。そこには、『あんぱん』でも描かれた災害が関わっていました。

 1946年の12月21日、和歌山県南方沖が震央、最大震度6の「昭和南海地震」が起きます。高知県でも震度5の被害があり、当時、深田さんはすでに会社を辞めていた暢さんと、上司の高知新聞編集局長だった中平正明さんの自宅へ駆けつけました。

 中平さんは地震で家が倒壊して、幼児の次男を残して妻と長男が亡くなるという悲劇に見舞われていましたが、彼は高知新聞本社の無事と災害時にちゃんと新聞が出せることを確認すると、安堵の表情を見せたそうです。その気丈な姿に心ひかれたという深田さんは、のちに中平さんと恋仲になり、彼との結婚を機に高知新聞を辞めました。

 深田さんは中平さんの次男を我が子のように可愛がり、さらに娘もふたり生まれたそうです。その後、中平さんは2003年に96歳で、深田さんは2018年に94歳で亡くなりました。娘さんによると、独立志向の強い深田さんは、本当は記者を続けたがっていたようです。

 そして、暢さん(1993年死去)と深田さんは、生涯にわたって親交があったといいます。1980年代には新宿にあったやなせさんのスタジオを訪れたこともあったそうなので、もう少し待てば琴子とのぶたちの再会も描かれるかもしれません。

 モデルの深田さんは中平さんと生涯をともにしましたが、琴子は誰かと結婚しているのでしょうか。今後に注目です。

参考書籍:ムック『やなせたかし はじまりの物語: 最愛の妻 暢さんとの歩み』(高知新聞社編集)

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