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ジブリ映画が残した「トラウマ級」シーン3選 心に刻まれた“恐怖”の瞬間

幅広い年齢層に愛されるスタジオジブリ作品は、一見、明るい作品のなかに、視聴者の心に恐怖を刻み付けたトラウマシーンがありました。いったい、どの作品が「恐ろしい」といわれているのでしょうか?

「直視できない」ほどの恐ろしさ?

「血の描写」以上に恐ろしかったシーンは? 『もののけ姫』静止画より (C)1997 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, ND
「血の描写」以上に恐ろしかったシーンは? 『もののけ姫』静止画より (C)1997 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, ND

 スタジオジブリの作品は、子供から大人まで幅広い年齢層に愛されています。しかし、『火垂るの墓』のような戦争を題材とした作品や、一見ファンタジーで明るい作品のなかに、多くの視聴者の心に深く刻まれる恐ろしいシーンがありました。この記事では、「『火垂るの墓』よりもトラウマだった」という声もあがる、ジブリ作品に登場する衝撃的なシーンをあげていきます。

 まずは、1997年に公開された『もののけ姫』です。この作品は自然と人間の対立を描いた宮崎駿監督の傑作で、主人公「アシタカ」が矢で首や手を吹っ飛ばしたり、うにょうにょとはい回る「呪い」が登場したりと、衝撃的な展開が続きます。そのなかでも、特に印象的なのは神様や動物たちではないでしょうか。

「モロ」の迫力や「乙事主」の風貌に恐怖を感じる人も多いですが、それ以上に「不気味」といわれるのが神様「シシ神」のビジュアルです。通常時のシカの肉体に人間の顔が付いているような通常ではありえないビジュアルや、撃たれたときの変貌する様子など「得体のしれない何か」に感じ、視聴者はシシ神に恐怖するのでしょう。自然そのもののような神々しさと恐ろしさを持ち合わせているのです。

 自然の神々と人間の対立を描きながらも、その描写の生々しさが視聴者の記憶に強く残っているのです。

 続いて、2008年公開の『崖の上のポニョ』は、一見すると明るくかわいらしい作品です。海の魔法使いの父「フジモト」と母なる海「グランマーレ」の間に生まれたさかなの子「ポニョ」が、5歳の人間の男の子「宗介」に恋をする物語でした。

 そのなかで、多くのファンをトラウマに陥れたのは、ポニョの変身姿でした。海のなかではかわいらしい魚の姿、人間になったときも愛らしい少女の姿をしているポニョですが、その中間状態である半魚人の姿が恐怖の対象となっていました。

 半魚人状態のポニョは、飛び出た目玉、低い鼻、大きく開いた口、そして鳥のような3本指の手足という特徴を持ちます。通常の姿がかわいらしいだけに、この姿のギャップが不気味さを際立たせていました。「半魚人のポニョは正直怖い」「結構トラウマ」といった感想が多く寄せられています。

 興味深いことに、ポニョの初期設定は「カエル」だったと語られています。宮崎監督は複数の書籍やドキュメンタリーでこのことに言及しており、カエルの名残が半魚人形態に残されているのかもしれません。

 最後は、2006年に公開された『ゲド戦記』では、美しき悪役「クモ」のとあるシーンが「トラウマ級」と言われています。クモは過去の因縁から大賢人「ハイタカ(ゲド)」に恨みを持つ魔法使いです。

 物語のラストシーンにおいて、それまで美しかったクモの容姿は一変しました。皺(しわ)だらけの肌、何本も欠けた歯、洞窟のように落ちくぼんだ目……「死」を極度に恐れるクモが「死は怖い、死はこわーい……」と連呼するシーンに、多くの視聴者が衝撃を受けました。

「人は死ぬときドロドロになるのかと思ってた」「ジブリ作品で1番怖いのは、クモだと思う」など、このシーンに対する恐怖の声は多くあがっています。クモの異常なまでの「生への執着」が引き起こした様相は、ジブリ作品のなかでも特に恐ろしいトラウマシーンとして記憶されているようです。

 スタジオジブリの作品は、ファンタジーの世界を通して人間の根源的な恐怖や不安を描くことも少なくありません。これらのシーンは単に「怖い」だけでなく、作品のテーマと深く結びついているからこそ、視聴者の心に深く刻まれるのでしょう。

(マグミクス編集部)

【画像】『火垂るの墓』以上に「トラウマ」の声も 『もののけ姫』の恐怖シーンを見る(6枚)

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