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公式も言及なし、そもそも気付いてる人も少ない? 『トトロ』に一瞬映る「白いUMA」は何なのか

「トトロ」「ネコバス」「ススワタリ」……もう1匹、謎の生物が『となりのトトロ』には映り込んでいたのでした。

他の生き物には全て名前がついているのに……正体不明生物

『となりのトトロ』場面カット (C)1988 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli
『となりのトトロ』場面カット (C)1988 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

 映画『となりのトトロ』(監督:宮崎駿)に、正体不明の「UMA(未確認動物)」が描かれていることを、ご存じでしょうか。もちろん、「トトロ」のことではありません。そうではなく、名称すら不明の、白い謎の生き物が、映画の終盤に2秒ほど登場しているのです。

 そいつらは、姉の「サツキ」が妹の「メイ」を探す場面に出現します。行方不明になったメイを探すため、サツキが「お願い。トトロの所へ通して」と塚森に入り込むクライマックス直前のシーンです。茂みのトンネルを這うように進むサツキを、「ススワタリ」たちが見送った直後、画面の右側を「白いキノコ」のようなものが、連なって移動していきました。

 2秒ほどしか映りません。こいつらは、一体何者なのでしょうか。

 もちろん、ジブリ作品であれば、さらにいえば宮崎駿監督作品であれば、不思議な生き物が登場することはむしろ自然です。実際、『トトロ』以前の『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』には、実在しない不思議な生き物たちが、特に説明なくわんさか登場しました。

 仮に、その「白いキノコ」たちが、『ナウシカ』や『ラピュタ』に映り込んでいても、筆者は何の違和感も覚えなかったことでしょう。

 ただ、いかんせん現実と地続きの世界観の『トトロ』だと、話は変わってきます。何せこの映画に登場する不思議な生き物たちは、それぞれに名称や出番が与えられているからです。

 序盤で登場した「ススワタリ」も、中盤からの「トトロ」「中トトロ」「小トトロ」も、終盤にかけての「ネコバス」も、今述べた通り名称と出番が用意されていました。だからこそ、この「白いキノコ」の異様性が際立つのです。

 こういう時こそ、「絵コンテ」を見ましょう。実際に使用された絵コンテには、どのように描かれていたのでしょうか。公式の絵コンテである『となりのトトロ スタジオジブリ絵コンテ全集<3>』から、当該シーンの絵コンテを確認してみることにします。

 すると……驚くことに当該シーンの絵コンテには、例の「白いキノコ」たちはどこにも描かれていませんでした。ただサツキが、茂みのトンネルを移動する様子が記されているのみです。直前のカットに「これでススワタリの出番オワリ」と記されていることを鑑みるに、例の「白いキノコ」たちは、制作のだいぶ後半で描き足されたのではないか、と推測できます。

 なお、『トトロ』には実在する生き物も、たくさん登場していました。それこそメイが遊んだオタマジャクシなどはとっても印象的でした。絵コンテはほかにも、背景に映り込む程度の生物であっても、その種類を細かく指定しています。

 たとえば、トトロの寝ぐらにいたチョウチョウは「ルリアゲハ」と説明されており、実在とファンタジーの線引きがはっきりしていることもよく分かります。だからこそ、「白いキノコ」の正体が余計気になる次第です。

 さて、その「白いキノコ」の画像を記事内で大きく表示できないことが、悔しい限りですが、これを『トトロ』という傑作を改めて観るモチベーションにしていただければと思います。

(片野)

【画像】白いキノコにも見えるけど、どっちかというと… コチラが『トトロ』の「謎生物」によく似た種族です

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片野

構成作家。1960年代カルチャーを好む。これまでに「ウルトラ」シリーズをはじめとする特撮番組、「ドラゴンクエスト」「ポケットモンスター」など国民的RPGシリーズ、ギャグマンガのジャンルで記事を多数執筆。

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