『あんぱん』結太郎の分まで「長生き」してる羽多子 モデル・暢(のぶ)さんの母が「夫より生きた年数」が衝撃
『あんぱん』ののぶたちの母、羽多子は、自身が亡き夫の結太郎よりもかなり長生きしていることについて、涙ながらに語りました。実際、モデルの暢さんの母は、相当な長寿だったそうです。
モデル・暢さんの父も急死していた

『アンパンマン』の作者、やなせたかしさんとその妻の暢さんをモデルにしたNHK連続テレビ小説『あんぱん』の126話では、主人公「柳井のぶ(演:今田美桜)」の母「朝田羽多子(演:江口のりこ)」が、第4話で出張から帰る途中の船の上で急死した夫「朝田結太郎(演:加瀬亮)」への思いを語る場面がありました。
すっかり年老いた羽多子は、のぶに自分のいちばんの幸せは「結太郎さんの女房になれたこと」だったと語り、「あてだけこんなに長生きさせてもろうて、結太郎さん、残りの命をあてにくれたがかもしれん」と涙ながらにこぼしています。
実際、羽多子さんのモデルである暢さんの母はかなりの長寿だったそうです。
暢さん(1918年5月18日生まれ、旧姓:池田)の母親の名前は登女(とめ)さんといいます。やなせさんと暢さんが出会った高知新聞時代の話を中心に特集した本『やなせたかし はじまりの物語:最愛の妻 暢さんとの歩み』(高知新聞社)に、いくつか彼女の情報がありました。
『やなせたかし はじまりの物語』によると、1988年に暢さんはやなせさんと一緒に受けた朝日新聞のインタビューで、母のことについても語ったそうで、当時ふたりと同居していた登女さんはこのときすでに92歳だったとのことです。そして、登女さんが1996年に101歳で亡くなったことも書かれています。この情報を踏まえると、彼女は1895年(明治28年)生まれです。
登女さんは、10歳年上の池田鴻志さんと結婚し、子宝にも恵まれます(実際は3姉妹のほかに穣さんという長男がいた)。鴻志さんは、当時日本一と言われた総合商社の鈴木商店に勤めて、1919年からは北海道釧路の出張所長を任されるほど出世しており、一家は暢さんがバイオリンとピアノを習えるほど裕福だったそうです。釧路の偉人を紹介する書籍にも鴻志さんの名があり、「新進気鋭の地で才気を発揮」と紹介されています。
しかし、鴻志さんは1924年11月11日、釧路にて39歳の若さで亡くなってしまいました。そこから登女さんは再婚もせず、女手ひとつで子供たちを育てたそうです。そして、夫の死から72年後、101歳の天寿を全うしました。
やなせさんの『人生なんて夢だけど』(フレーベル館)には、アニメ『それいけ!アンパンマン』が始まった1988年10月当時、「妻の母は老人ボケが進んで入院」したと書かれていますが、登女さんはそこから8年も生きています。史実通りなら、羽多子はのぶよりも長生き(暢さんは1993年にがんで死去)することになり、最終回まで登場してくれそうです。
(マグミクス編集部)

