大河史上初だった! 『新選組!』続編が作られた山本耕史版“土方歳三”の熱狂
2004年に放送された大河ドラマ『新選組!』の魅力を語るうえで、山本耕史さん演じる「土方歳三」は欠かせません。2025年9月からNHKオンデマンドで本作の配信が始まり、改めてその魅力が注目されています。
“山本版”土方の魅力は作品を越える!

2004年放送の大河ドラマ『新選組!』は、三谷幸喜さんの軽妙な脚本と個性豊かなキャラクターが話題を呼び、それまでの大河=重厚な歴史劇というイメージを一新しました。なかでも強い存在感を放ったのが、山本耕史さん演じる「土方歳三」です。放送から20年以上経ったいまも、彼が体現した新選組「鬼の副長」は多くのファンの心に深く刻まれています。
かつて時代劇における土方歳三といえば、栗塚旭さんが不動の存在でした。『新選組血風録』や『燃えよ剣』で見せた土方は、凛とした顔立ちにどこかニヒルな雰囲気をまとい、厳格さの裏に情を秘めた姿が印象的です。その圧倒的な存在感は多くの視聴者を魅了し、これまで「悪役」として描かれがちだった新選組のイメージを大きく塗り替えました。
一方『新選組!』で山本さんが演じた土方は、貫禄ある栗塚版土方とは対照的な魅力を見せます。あどけなさの残るベビーフェイスに、「佐久間象山(演:石坂浩二)」から「木綿豆腐」とあだ名をつけられるほどの色白な肌。また幼なじみの「近藤勇(演:香取慎吾)」とは「かっちゃん」「トシ」と呼び合う仲で、第1話では大砲を放つ黒船を前に、近藤と裸で抱き合って震えるというコミカルな場面も登場しました。全体を通して、親しみやすさと人間味にあふれた土方像として描かれていた印象です。
しかし戦いの場においては、これほど頼もしい存在はありません。第28話「そして池田屋へ」では、近藤と土方で二手に分かれ、近藤ら10名の隊士が池田屋を襲撃します。剣戟(けんげき)の最中、敵に背後をとられた近藤を救うように、颯爽と現れたのが土方でした。その際に放たれた「待たせたな」というセリフは、視聴者に強烈な印象を残し、土方を象徴する言葉となりました。
ちなみに山本さんは『新選組!』の出演から11年後、NHK連続テレビ小説『あさが来た』で再び土方役を演じています。大河ドラマと朝ドラの両方で同じ人物を演じるのは極めて異例で、本作でも件(くだん)の決めゼリフを披露しました。
さらに2024年公開の映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』でも再び土方として登場し、ここでも「待たせたな」を放っています。こうしたファンサービスが繰り返されることからも、山本版土方がいかに多くの人に愛されていたかがうかがえるでしょう。
そんな彼の人気を裏付けるもうひとつの出来事が、『新選組!』のアフターストーリーです。本編は近藤の処刑で幕を下ろしますが、彼の右腕として戦い抜いた土方の最期は描かれていません。そのため番組終了後、視聴者から多くのリクエストが寄せられ、大河史上初の続編として『新選組!! 土方歳三 最期の一日』が制作されたのです。
本作では、新選組の終焉とともに、土方が命を落としたとされる「五稜郭の戦い(箱館戦争)」を描きます。開幕から早々、「待たせたな」のセリフとともに土方が登場し、視聴者を一気に『新選組!』の世界へと引き戻しました。死を目前にしながらも最後まで信念を貫こうとするその姿は、まさに新選組の魂そのものであり、山本さんが演じる土方の集大成ともいえる作品です。
2025年9月からNHKオンデマンドなどで『新選組!』の配信が始まり、ネット上には「やっぱ山本耕史の土方歳三最高だな」「お顔がとにかく美しすぎる」「全人類に見てほしい」などと土方関連のコメントが広がっています。かつて多くの視聴者を沼落ちさせた土方の魅力は、平成から令和へと時代が移り変わったいまもなお色褪せていないようです。
(ハララ書房)


