『閃光のハサウェイ』第2部で注目されるブライトの役割 映画の世界線に救いの可能性は?
映画『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』の公開を経て、第3部でのブライト・ノアの行く末を案じる声が、改めて聞かれます。
宇宙世紀の「生き証人」、その特別な立ち位置

映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』の公開から、約1か月が経ちました。主人公「ハサウェイ・ノア」の行方とともに、その父「ブライト・ノア」が、続く第3部でどう描かれるのかを案じる声が、改めて聞かれます。
ブライト・ノアは、「ガンダム」シリーズの「宇宙世紀」を舞台とした作品の大半に登場してきた、特異な立ち位置の人物です。主役のパイロットたちが作品ごとに入れ替わるなかで、ブライトは『機動戦士ガンダム』から『機動戦士ガンダムUC』にいたるまで、ほぼ一貫して登場し続けました。
「アムロ・レイ」「カミーユ・ビダン」「ジュドー・アーシタ」……それぞれの時代の主役たちを、艦長として間近で見届けてきた人物です。いわば、この時代の「生き証人」といえるでしょう。そして同時に、シリーズ屈指の苦労人としても知られます。
連邦軍の士官候補生として乗り込んだ「ホワイトベース」で、19歳にして艦長を引き受けたのが始まりでした。その後も軍上層部から囮部隊として扱われ、激戦地へと送り込まれ続けます。『Zガンダム』の時代には連邦軍内の軍閥組織「ティターンズ」から目をつけられ、下の階級の者から殴られる屈辱まで味わいました。『ZZ』では、まともにMSを動かせる人員が「ファ・ユイリィ」しか残っていないという絶望的な状況を、少年少女をスカウトすることでなんとか乗り切ります。
やがて映画『逆襲のシャア』では、「すまんが、みんなの命をくれ」のひと言でクルーの敬礼を引き出せる、信頼された指揮官へと成長していました。「ラプラス事変」にも関与し、ニュータイプの導き手としての役割を果たし続けます。
ところがその後、息子のハサウェイがテロリストになっていました。
富野由悠季氏による小説および映画『閃光のハサウェイ』において、宇宙世紀0105年、45歳、大佐として現役軍人であったブライトは、文字どおり「過去最大の厄介事」に直面することになります。原作小説を読んだファンが複雑な気持ちを抱くのは、これだけ苦労を重ねてきた人物が最終的にどういう立場に置かれるか、を知っているからです。
そうした状況のなか、映画第2部『キルケーの魔女』において、映画版が原作小説とは異なる世界線であることが明示されました。原作の大きな流れが変わるとは考えにくいものの、それでもファンのあいだで「もしかしたら」という声がそっと上がるのは、これだけ長い時間をかけて苦労を重ね、誠実に戦い続けてきたブライト・ノアという人物への愛着の深さゆえでしょう。
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『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』には、ブライトの妻「ミライ・ノア」も登場しました。一年戦争の終結後、すぐにブライトと結婚し家庭に入ったミライは、夫が戦場に出続けるあいだ、ずっと待ち続けてきた人です。ブライトは退役したら、ミライとふたりでレストランでも始めたいと考えています。
そうなってほしいと、誰しも思っていることでしょう。
(マグミクス編集部)

