フリーレンはなぜ「くだらない魔法」を集めるのか 「花畑の魔法」が変えた人生とは
「くだらない魔法」に心を動かされるワケ

ただ、収集を続けるには動機が必要ではないでしょうか。原作第2話で、フェルンに魔法を集める理由を聞かれたフリーレンは、「私の集めた魔法を褒めてくれたバカがいた。それだけだよ」と返します。「バカ」とは共に旅したヒンメルたちのことでしょう。皆が魔法を褒めてくれた、それが愉快で楽しかった。また体験したいから魔法を集め続けるという動機。
第122話では、フランメが残した「お前が一生かけても学びきれないほどの魔法が、この世界にはある」などと話しています。これに対してフリーレンが、「どうせなら全て学んでみたい」という動機。
そもそも1000年生きてきて、もう学ぶべき戦闘魔法がほとんど残っていないから、「趣味」としてコレクションしたいだけという動機。
作中には、このような動機と思えるシーンがたくさんあるので、フリーレンの胸中を考察するのが面白くなります。
仲間も、おそらくフリーレン本人も「くだらない」と言う民間魔法の数々ですが、実際に使われたときには胸がジーンとするエピソードがたくさんあります。きっとその魔法の発案者にとっては、とてつもなく便利で、大切な魔法だったに違いありません。そしてフリーレンは、そんな誰かの大切なものを集めているのかもしれません。
(石原久稔)


