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PS2全盛期は、フライトゲームの黄金期 頭ひとつ抜きん出た『エースコンバット』

2000年3月に発売された、PlayStation2。全盛期は「エースコンバット」シリーズをはじめとするフライトゲームの黄金期でもありました。『ドラクエ4コマ』で活躍した漫画家の石田和明先生が思い出を語ります。

石田和明先生が語る、フライトゲーム愛

石田和明先生所有のPS2用フライトゲーム(撮影:石田和明先生)
石田和明先生所有のPS2用フライトゲーム(撮影:石田和明先生)

 1995年、PlayStation用ソフト『ACE COMBAT(エースコンバット)』が登場。本格的なフライトシューティングゲームが家庭で遊べるようになった、記念すべきタイトルです。

『ドラゴンクエスト』を題材とした人気コミック『ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場』で活躍した漫画家の石田和明先生が、「エースコンバット」シリーズをはじめとするフライトゲーム愛を語ります。

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 PlayStation2(以下、PS2)が登場して1年ほど経った2001年9月、『エースコンバット04 シャッタードスカイ』が発売になりました。

「専用コントローラーは出るの? 出るの?」と気をもんでおりましたが、さまざまなゲームコントローラーを発売してゲーマーの要望に応えてくれるホリさんがやってくれました!「フライトスティック」です! これ以後、ホリ製の「フライトスティック」とは長い長いお付き合いをすることになります(笑)。正直、初代のホリ製「フライトスティック」はちゃちな感じが否めませんでした。それでも、これがあるとないとでは大違いです。

 さて肝心の『エースコンバット04』ですが、PlayStation時代とは比べものにならないグラフィックの進化に感動です! 実機感あふれる緻密なディテールの戦闘機。空にすーっと描かれるミサイルの航跡の美しさ。リアルな海と大地。進化はグラフィックだけではありません。リアルな戦闘機のサウンドと、なにより音楽が素晴らしい! オーケストラ調の壮大な音楽。フライトゲームのBGMは全部ロック調という先入観は打ち砕かれました。そして「エースコンバット」シリーズは音楽を使い回すようなけち臭いことをしません! ミッションごとに違うBGMが流れます。なんという贅沢!

「エースコンバット」シリーズは、そうした思い出補正もあって『2』と『04』が個人的にはもっともお気に入りです。

石田和明先生の部屋の一角は、コクピット状態!(撮影:石田和明先生)
石田和明先生の部屋の一角は、コクピット状態!(撮影:石田和明先生)

 そして3年後、シリーズ最高傑作と言われる『5』が発売になります。『5』に関しては語り尽くされているので、今さら僕が書くまでもありません。『5』発売と同時にホリの「フライトスティック2」が発売されます。もう、ちゃちとは言わせません(笑)。操縦桿、スロットルがセパレートで、スティックから手を離さずに各種ボタンが操作できるHOTAS仕様。さらにホリさん、たぶん『ZERO』の発売に合わせてだったと思うのですが、限定販売でペダルユニットまで出してくれました。そして僕の部屋の一角が写真のような状態になりました(笑)。「フライトスティック」が乗っている黒いボックスは自作。なかにダンベルを入れて重しにしています。

 この時期に発売されたPS2フライトゲームは『エースコンバット』だけではありません。手元に残っているだけで、9本ほどのソフトがあります。『エアロダンシング』や『エアフォースデルタ』のように他ゲーム機種で展開していたシリーズもPS2に大集結した感があります。『エアロダンシング4』と『エナジーエアフォース』は硬派なフライトシミュレーター、『サイドワインダー』と『エアフォースデルタ』はSF的世界観のフライトシューティングとそれぞれに特徴があって、どれもこれも楽しめました。そのなかでもグラフィックと音楽に関しては『エースコンバット』が頭ひとつ抜きん出ていたと思います。

 PS2全盛期は、僕のような戦闘機好きにとっては夢のようなフライトゲーム黄金期でもありました。

(石田和明)

【画像】石田先生が愛用、ホリ製初代フライトスティック

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石田和明

石田和明(いしだ・かずあき)

漫画家。『ドラゴンクエスト』の世界を題材にした『ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場』(エニックス)の黎明期に活躍。コミックスや「月刊少年ガンガン」で作品を多数執筆。代表作に「月刊少年ギャグ王」で連載されたファンタジー作品『レニフィルの冒険』。現在は「マンガ図書館Z」で閲覧・購入が可能。Twitter:@pontsuku_do