35周年の『BTTF』記念盤の目玉は「吹き替え」。マーティの声はやっぱり宮川一朗太でしょ
2020年は映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の製作・公開から、35年になります。記念ソフトには、これまで主人公・マーティの声を演じてきた三ツ矢雄二さん、山寺宏一さんの吹き替え版に加え、俳優・宮川一朗太さんの吹き替え版も新たに収録されています。コメディドラマ『ファミリータイズ』(テレビ東京系)を見ていたファンにとっては、感激の吹き替えとなっています。
『ファミリータイズ』のマイケルを担当し評判に
SF映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)は、時間旅行を扱ったコメディ作品として今でも大変な人気があります。平凡な高校生・マーティ(マイケル・J・フォックス)と“ドク”ことエメット・ブラウン博士(クリストファー・ロイド)との掛け合いの面白さや伏線を回収していく構成の見事さから、何度も繰り返し楽しむことができる作品です。
続編『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989年)、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』(1990年)も大ヒットしました。タイムマシンものの金字塔『バック・トゥ・ザ・フーチャー』三部作が、第1作の製作&公開から35周年を記念した「バック・トゥ・ザ・フューチャー トリロジー 35thアニバーサリー・エディション 4K UltraHD+ブルーレイ」として2020年10月21日(水)に発売されます。
今回のソフトはブルーレイの4倍となる高解像度での映像が楽しめることに加え、日本のファン向けの注目ポイントがあります。主人公・マーティの声を、俳優の宮川一朗太さんが吹き替えている新バージョンを収録しているという点です。
「マイケルの声」の代表格、なのにBTTFだけは……
宮川一朗太さんといえば、日本では1986年から放送が始まったコメディドラマ『ファミリータイズ』(テレビ東京系)でマイケルの声を吹き替え、これが「マイケルの声にぴったり!」と大評判に。以降、『摩天楼はバラ色に』(1987年)、『ドク・ハリウッド』(1991年)、『さまよう魂たち』(1996年)など、マイケル主演映画を数多く吹き替えてきました。近年では、マイケルがパーキンソン病からカムバックを果たした主演ドラマ『マイケル・J・フォックス・ショウ』でも、マイケルの声を担当しています。
ところが、マイケルのいちばんの代表作である『バック・トゥ・ザ・フューチャー』三部作だけは、宮川さんは吹き替えることができずにいました。1990年のフジテレビでの放送には、織田裕二さんがマーティの吹き替えに起用されるなど、宮川さんにチャンスが回ってこなかったのです。
「マーティの声を演じるまでは死ねない」と宮川さんは周囲に語っていたそうです。マーティ役を切望していた宮川さんに朗報が届いたのが、2014年。BSジャパンでの『バック・トゥ・ザ・フーチャー』の放送で、ようやくマーティを演じることができたのです。
BSジャパンの担当者も、「マーティの声は宮川さんで」とずっと思っていたそうです。2018年には、やはり BSジャパンでPART2、PART3の吹き替えも実現。今回の35thアニバーサリー・エディションには、BSジャパンで放送された宮川一朗太バージョン、地上波テレビの吹き替えでお馴染みだった三ツ矢雄二バージョン、ソフト版を担当していた山寺宏一バージョンの3種類の日本語吹き替えが収録されています。