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『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』トランプ大統領がモデルの「ビフ」は「予言」もしてた?

『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』の脚本家は、悪役のビフが当時のドナルド・トランプ氏がモデルだと明言していました。その根拠と、ほかの映画でのトランプ氏の描かれ方もまとめてみましょう。

伝記映画では「昔は気弱な青年」として描かれることも

『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』キービジュアル (C)1989 UNIVERSAL CITY STUDIOS, INC.
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』キービジュアル (C)1989 UNIVERSAL CITY STUDIOS, INC.

 2月14日の「金曜ロードショー」で『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』が放送されます。同作の脚本家であるボブ・ゲイル氏は、劇中の年代である2015年に、悪役の「ビフ・タネン」は当時のドナルド・トランプ氏から着想を得ていると明言しました。

 なるほど、実際に振り返るとビフにはトランプ氏の「らしさ」が反映されており、図らずも2025年の今を「予言」しているように思えるところもあります。ほかの映画におけるトランプ氏の描き方も含めて、まとめてみましょう。

●大統領のようなことを言う場面も

『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART1』でのビフはおおむね暴力的ないじめっ子の少年で、『PART2』では大富豪となった中年期、さらには老年期のビフが登場します。

 その『PART2』で大富豪となった中年期のビフが建てた高層ホテルは、1989年に同作が公開される5年前にトランプ氏が建てたプラザホテルにとても似ていますし、ゲイル氏はビフがオフィスに掲げられた自身の肖像画と、まったく同じポーズを取っていることも指摘していました。ビフにはトランプ氏の見た目や性格のみならず、「不動産王」だったことも投影されているのです。

 もちろん、あくまでモデルにしているのはトランプ氏の1980年代当時の姿であり、直接的に後に2度も大統領になる予言がされているわけではありません。しかし、ビフの来歴をまとめたビデオでは「私は一言だけ言おう、アメリカに栄光を」とも発言しており、それは現実のトランプ氏が2016年の大統領選挙以降に「アメリカ・ファースト」を連呼したこと、2025年1月20日のアメリカ大統領の就任式にて「アメリカの黄金期は今から始まる」などと演説したことも連想させます。

 ちなみに、2020年の大統領選挙でジョー・バイデン氏が勝利する結果が出る前に、主演のマイケル・J・フォックス氏は「人間の最悪な本能のすべてが(トランプ氏によって)表されたよね。それは僕にとって受け入れがたい。ビフが大統領じゃないか!」と皮肉を口にしていたこともありました。パーキンソン病を患う彼は、トランプ氏が記者の身体障がいをあざけるジェスチャーを取ったことにも強い怒りを感じているそうで、それは『PART2』劇中での「マーティ・マクフライ」からのビフへの強い批判とも重なるところがあります。

●ほかにもモデルしたキャラクターや、「本人役」で登場した映画も

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』以外にも、ドナルド・トランプ氏をモデルとしたキャラクターが登場する映画があります。

 1990年の『グレムリン2 新・種・誕・生』では不動産王の「ダニエル・クランプ」という、肩書も名前も分かりやすくトランプ氏のようなキャラクターがおり、体型はトランプ氏よりもスマートではあるものの、「不動産王が街を救うか!こいつは気に入った!」と言うなど、「権力も含めて自分を正しいと思っている様」はトランプおよびビフに近い印象を持ちました。「グレムリン」たちが大暴れするクライマックスの舞台の高層ビル「クランプ・タワー」は、もちろん「トランプ・タワー」が元ネタです。

 また、トランプ氏が「本人」役として出演する例は数多くあります。特に有名なのが1992年の『ホーム・アローン2』で、ロビーの場所を尋ねる主人公の「ケビン」に「この先の左だよ」と答えていました。なお、クリス・コロンバス監督はすでに撮影使用料を払っていたものの、当時ホテルのオーナーだったトランプはさらに「自身の映画への出演」を貸し出す条件として提示していたのだそうです。

 ほかにも1999年のドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』、映画では2001年の『ズーランダー』や2002年の『トゥー・ウィークス・ノーティス』でも、トランプ氏は本人役でカメオ出演しています。

●映画『アプレンティス』の実在の弁護士は老年のビフに見える?

 そして、今最も話題のトランプ氏関連の映画といえば、公開中の伝記映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』でしょう。本作はアメリカでは2024年11月の大統領選を目前に控えた10月に公開されましたが、日本ではアメリカ大統領の就任式の直前である2025年1月17日より公開されました。

 同作では若き日のトランプ氏が、実在の悪名高き弁護士ロイ・コーン氏から「勝つための3つのルール」を伝授され、「怪物」のような存在になっていく過程が描かれています。

 その3つのルールとは「1:攻撃、攻撃、攻撃」「2:非を絶対に認めるな」「3:勝利を主張し続けろ」であり、なるほど同作の劇中でその教えを忠実に守ってきたからこそトランプ氏は勝ち続け、だからこそ現実の今に大統領になるほどの権力を握るようになったとも思えます。一方で、そんな彼がとても幸せそうには見えない、そのルールに染められた中身のない薄っぺらな人間にも見えてくるというのが皮肉的でした。

 そのロイ・コーン氏とトランプ氏の師弟関係は、『PART2』で老年のビフがまだ少年だった自身に「スポーツ年鑑」を見せて「これを見て(競馬で)勝つようにしたらいいんだ」とシンプルにさとす様にも重なって見えます。ほかにも当時の妻であるイヴァナ氏へのあまりに暴力的かつ支配的な言動も、『PART2』での自身の妻であり主人公マーティの母「ロレイン」への態度にかなり似ていました。

 トランプ氏をモデルにしたキャラクターは、往々にして自己顕示欲が強い高圧的な人間として描かれていますが、『アプレンティス』では初めこそ気弱な青年に見える彼が「そういう人間になっていく」様を描いているといえます。『PART2』劇中でのいじめっ子かつ未来(過去)を自身の都合のように改変するビフはもちろん、『アプレンティス』や現実のトランプ氏から、本来は決して一面的ではない彼のことを知り、考えることには意義はあるでしょう。

(ヒナタカ)

【画像】え…っ? PART1のビフより線細め? こちらが「若き日のトランプ大統領」です

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