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【漫画】深夜、仕事帰りにひとりファミレスへ… ”孤独”を感じて周りを見ると

深夜、仕事で遅くなったオオカミは、ファミレスに入りました。孤独を感じつつ、ひとり食事をするオオカミですが、周りには同じようにひとりの時間を過ごしている”仲間たち”が……。午後さんによるエッセイマンガの独特な表現が「素敵」と反響を呼んでいます。

日常の風景がファンタジーに変わる、独特な表現が「エモい」

仕事で遅くなった夜、ファミレスへ立ち寄るオオカミ(午後さん提供)
仕事で遅くなった夜、ファミレスへ立ち寄るオオカミ(午後さん提供)

 深夜、仕事で遅くなったオオカミ。ふとファミレスの看板を見つけて、吸い寄せられるように入っていきます。注文したのはポテト、ミニパルフェ、ドリンクバー。孤独を感じつつ、ひとり食事をするオオカミですが、周りを見ると同じようにひとりの時間を過ごしている”仲間たち”が……。

 午後さん(@_zengo)によるエッセイマンガ『真夜中にファミレスに行く話』がTwitterで公開されました。ファミレスでの孤独感と、同じ空間に居合わせた”同士”とのひと時を独特の表現で描いた日常のひとコマ。読者からは「すごく分かる」「素敵な表現」「絵本みたい」「エモい」などの声があがりました。

 作者の午後さんに、お話を聞きました。

ーー午後さんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。

 子供の頃からマンガを読んで育ち、マンガが大好きで、いずれ描きたいという気持ちは昔から持ち続けていました。でも肝心の“描きたいこと”がずっとない状態で、なかなか筆を持つことができずにいました。

 さらにここ数年は人生に困難を感じることが多く、苦しい夜を過ごすことが多かったのですが、そんな時、Twitterでたくさんの人たちに助けてもらえました。自分と同じように苦悩や孤独を抱える人たちからもらった温もりに恩返しがしたいと思い「私なりの夜の乗り越え方を伝えよう」と思いました。それがきっかけで描きたいことが見つかり、今、マンガを描いています。

ーー『真夜中にファミレスに行く話』のエピソードをマンガで公開しようと思ったきっかけはありましたか?

 数年前に飲食店でアルバイトをしていたのですが、その帰りによくファミレスに寄っていました。深夜のファミレスって独特の雰囲気が流れていて、その空気の中でぼんやりと過ごす時間が好きだったんです。「店員の自分」から「本来の自分」に戻るための時間でした。アルバイトを辞めて何年かたってもその時間のことがずっと心に残っていて、これは自分にとって本当に宝物なのだと実感したので、作品として残そうと思いました。

ーーたくさんの感想が寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

 お送りいただいた感想は全て目を通しているのですが、共感の声がとても多くて、あの感覚を大勢の人が感じている事実にうれしく思いました。人間って100%分かり合うことはできなくても、一部分だけなら分かり合えると思うんです。いろんな人たちの一部分とつながっていけたら、世の中から孤独ってなくなるんじゃないかなと思っているのですが、作品を通してそれができたことが本当にうれしいです。

 あとは「このマンガを読んだらこの作品を思い出した」と、歌や詩や絵や小説などを教えていただけたのもうれしかったです。

『明け方にコンビニに行く話』(午後さん提供)
『明け方にコンビニに行く話』(午後さん提供)

ーーTwitterでは、以前投稿なさった『明け方にコンビニに行く話』や『真夜中に部屋を掃除する話』なども反響がありました。日常の何気ない風景や出来事が読者の共感を集めていますが、マンガに描きたいと思うのはどのような出来事ですか?

 取るに足らない、どうでもいい日常を大切に描いていきたいです。人生においてどうでもいいことや一見無駄なことたちを愛でることが、気持ちの余裕を育むことにつながると信じています。

ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?

 これまで通り、取るに足らない日常を大切に描いていきたいです。また、もう少し描く力がついたら、エッセイマンガだけではなく創作マンガにも着手していきたいと考えています。

(マグミクス編集部)

【マンガ】真夜中のファミレスで、ゆっくりと流れる時間 本編を読む

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