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『機動戦士ガンダム』嫌われ者「マ・クベ」の意外な実像。「部下思いの上司」の側面も?

マ・クベのパイロットとしての腕前は?

マ・クベが搭乗した「アッザム」は、ガンダムと交戦して生き残った数少ないモビルアーマーだった。画像は「1/550 アッザム」(BANDAI SPIRITS)
マ・クベが搭乗した「アッザム」は、ガンダムと交戦して生き残った数少ないモビルアーマーだった。画像は「1/550 アッザム」(BANDAI SPIRITS)

 次はマ・クベのパイロットとしての資質を考えてみましょう。

 よくマ・クベがギャンでガンダムと互角に戦ったことの理由付けとして、ギャンが素人にも性能を出しやすいモビルスーツだったからと考証されています。シャアはマ・クベを付け焼刃と言っていましたが、本当にそうでしょうか?

 マ・クベはその前に一度、ガンダムと戦っています。前述した採掘基地で試作型モビルアーマーのアッザムを操縦していました。しかも、このアッザムにはVIPであるキシリアも搭乗しています。普通ならVIPの護衛は一流の人間が務めるもの。そう、マ・クベはキシリアが安全だと信頼できるほどの操縦技術を持っていたと考えられます。そうでなければ慎重なキシリアのこと、別な人間に操縦を任せていると思いませんか?

 そして、このアッザムはシャア専用ザクと同じく、ガンダムに撃墜されていない機体です。

 これらのことを考えると、マ・クベのパイロットとしての資質は並みの兵士以上でしょう。テキサスコロニーでのガンダムとの戦いも、マ・クベの技量に追いつくためにアムロが徐々に覚醒していったと考えると納得感がありませんか?

 マ・クベといえば「壺」。そういったネタ的な評価が先行して、我々は彼の本質的な部分を見誤っているのかもしれません。

 ちなみにキャラクターデザインの安彦良和さんの描くマンガ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、アニメ版と異なった印象のマ・クベが登場していました。そこではアニメとは逆に兵士たちを脱出させるため、ギャンに乗り込んでしんがりを務めるという漢気溢れる最期を迎えます。

『機動戦士Zガンダム』放送当時、作品は劇場版3作品からのストーリーの流れだと明言されていました。ということは、テレビ版では壮絶な最期を遂げたマ・クベは、宇宙世紀の正史の流れのなかでは死んでいないということです。とはいえ、これからマ・クベの活躍が見られる可能性は高くないでしょう。

 外見と表面的な行動で、悪い印象が先行しているマ・クベを思うと、実社会でもこういう風に見た目で損をしている人っているよね……と、そんな風に感じて筆者は哀れに思うことがあります。

(加々美利治)

【画像】「あれはいいものだ」マ・クベの華麗なMSたちと、商品化され話題をさらった「壺」(7枚)

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