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1975年、マジンガーとゲッターの共演がもたらした、さらなる「夢の共演」とは?

グレートマジンガーとゲッターロボ。大人気だった2大スーパーロボットの共演は、当時の子供たちを興奮させただけでなく、その後誰もが知る巨大コンテンツにも大きな影響を与えていました。

手を結んだのはヒーローだけでない? 当時の裏事情

『グレートマジンガー対ゲッターロボ』を収録した、「復刻!東映まんがまつり 1975年春 」DVD(東映)
『グレートマジンガー対ゲッターロボ』を収録した、「復刻!東映まんがまつり 1975年春 」DVD(東映)

 1975年3月21日に「東映まんがまつり」の1本として公開された劇場用作品『グレートマジンガー対ゲッターロボ』は、当時大人気だった2大スーパーロボットの共演を実現させ、当時の子供たちを興奮させただけでなく、後のロボットアニメにも大きな影響を与えていました。

 当時、永井豪先生の作品の共演というものが「東映まんがまつり」で行われていました。最初の『マジンガーZ対デビルマン』は、日本アニメ史上初めての本格的クロスオーバー作品として現在まで語り継がれる伝説的作品です。続く『マジンガーZ対暗黒大将軍』は、主役交代劇をテレビに先駆けて劇場版として作成したことで、これもまたファンの間で語り継がれてきた作品でした。

 それに続いて製作された『グレートマジンガー対ゲッターロボ』では、いったい何が当時の子供にスゴいと思わせたのでしょうか?

 それは、現役でそれぞれ別の世界観を持っている2大スーパーロボットが共演した、という部分です。これは過去の作品ではなしえなかったことでした。

 しかし、現役のヒーローにそれぞれの見せ場を用意して並び立たせるというのはむずかしいものです。過去の作品では、どうしても一方のヒーローがピンチの時にもう一方が助ける……という形になってしまいます。しかし両方とも現役の場合、どちらか一方の立場を下げることはできません。その点、本作ではグレートとゲッターどちらが強いのか?と思わせる絶妙なパワーバランスで物語が進んでいきます。

 この2大スーパーロボットの共演は簡単に見えて、そうではない複雑な状況がありました。それは、出版社の問題です。

『グレートマジンガー』は講談社、『ゲッターロボ』は小学館が、それぞれ雑誌掲載権を持っていました。ようはお互いの出版社以外での掲載を制限する権利です。この講談社と小学館のライバル関係は根深く、古くは「少年マガジン」と「少年サンデー」の発売日を調整するなどの事件もありました。

 この雑誌掲載権ですが、徳間書店の『テレビランド』、秋田書店の『冒険王』はマジンガーもゲッターも掲載していたので、実質的には互いの出版社には載せないということだったのかもしれません。

 ところが、劇場版公開時期に限っては、お互いの雑誌で扱うことができるという紳士協定が結ばれたおかげで、マジンガーとゲッターの夢の共演が実現できたわけです。これらが、筆者も子供だった当時は知らなかった、まさに「大人の事情」というものでした。

【画像】もはや伝説…? 2大ロボット「マジンガー」と「ゲッター」(8枚)

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