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「初期ドラクエ作品」は、今から見れば不便だらけ…でも没入できる魅力があった

1986年の『ドラゴンクエスト』に始まるドラクエシリーズは、最新作『XI』まで実に31年間愛され続けている名作で、長い歴史のなかで遊びやすく改良され続けています。しかし、ファミコン版の初期作品は現在のゲームの“当たり前”を考えるととても不便な仕様だったのを覚えていますか?

不便だったのに、興奮して楽しめた初期『ドラクエ』

初代『ドラゴンクエスト』の竜王は「世界の半分」をやろうと持ちかけてくる。「はい」を選ぶと復活の呪文を教えてくれて、それを打ちこむと…画像は『ドラゴンクエスト』スマートフォン版(スクウェア・エニックス)
初代『ドラゴンクエスト』の竜王は「世界の半分」をやろうと持ちかけてくる。「はい」を選ぶと復活の呪文を教えてくれて、それを打ちこむと…画像は『ドラゴンクエスト』スマートフォン版(スクウェア・エニックス)

 1986年に誕生した「ドラゴンクエスト」シリーズは、最新作『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』(2017年発売。2019年に新要素を加えた『XI S』が発売)まで実に31年の長きにわたり、ゲームの面白さとあわせてゲームシステムも進化していきました。

 現在、当たり前にプレイしているゲームの仕様ですが、それと初期のドラクエ作品を比べると、信じられないくらいの不便を感じることでしょう。今回は、古き良き初期ドラクエ作品の不便さ、それを補ってあまりある面白さを振り返りたいと思います。

●“ふっかつのじゅもん”という試練

 現在のTVゲームでプレイを中断したいときはゲーム機内のメモリなどにデータをセーブ、再開したいときはロードする……といったお手軽な方法が主流です。セーブできる場所も、どこでもできるものや進行具合で勝手にオートセーブしてくれる機能がついているものもあります。これがゲームの常識……と思いきや、初期の『ドラゴンクエスト』や『ドラゴンクエストII』では、とても不便なものでした。

 ゲームを終了する際には、王様あるいは教会から「ふっかつのじゅもん」というパスワードを聞き、それをメモしておかなければなりませんでした。『I』は20文字、『II』は最大52文字の不規則な文字列で、ゲームを再開する際はもちろん1字も間違えず打ち込まなくてはなりません。

「ふっかつのじゅもん」にミスがあると、「じゅもんがちがいます」の無慈悲なメッセージとともに、前回の冒険で費やした時間が水の泡に。こうなると前々回の呪文からやり直しすほかなく、プレイヤーをたびたび絶望の底に叩き落としてきました。

 何が大変かというと、当時は携帯電話のカメラで画面を撮る……などという手段があるわけもなく、「ふっかつのじゅもん」は手書きでメモしていました。そのため、「め」と「ぬ」、「あ」と「お」などの書き損じが続出しました。

 しかし、「ふっかつのじゅもん」に込められた裏ワザはプレイヤーを楽しませてくれました。『I』では「ほりいゆうじ~」、『II』では「ゆうてい~」から始まる呪文を打ち込むと、最初から強い勇者でスタートできました。バッテリーバックアップ(セーブ)ができるようになったのは『ドラゴンクエストIII』からですが、カセット本体に「ぼうけんのしょ」として記録されるデータが失する悲劇もたびたび消起きています。

●空を自由に飛べなかった「ルーラ」

「ルーラ」といえば、これまで立ち寄ったことのある城や町などを指定し、少ない消費MPで瞬間移動できる便利な呪文です。しかし『I』で移動できるのはスタート地点のラダドーム城のみ、『II』では最後に復活の呪文を聞いた城や町のみで、行き先を選ぶことはできませんでした。消費MPも、『I』では8を消費。これはベホイミと並び、作中で最大消費の呪文になります。『II』でも6を消費するため、満身創痍でダンジョンを脱出したものの、ルーラを唱えられるMPがなく徒歩で帰還中、ザコ敵に倒されてしまうこともよくありました。

「ルーラ」で一度寄ったことのある町を選べるようになるのは『III』から、消費MPが1になるのは『ドラゴンクエストVI』からになります。

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