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『呪術廻戦』“ナナミン沼”にハマる人続出! 最大の魅力は「子供扱い」にある?

アニメ『呪術廻戦』を観てナナミンこと七海建人の“沼”にハマった人も多いはず。作中随意一の「善人」との評価も高いナナミンですが、果たして彼が魅力的に映る理由とはなんでしょうか? 少年マンガにおける「大人」という視点で解説します。

「兄貴分」ではなく徹底して「大人」だったナナミンの魅力を解説

メガネがトレードマークのナナミン 著:芥見下々『呪術廻戦』第11巻(集英社)
メガネがトレードマークのナナミン 著:芥見下々『呪術廻戦』第11巻(集英社)

「私は大人で君は子供 私には君を自分より優先する義務があります」
 今や「ポスト鬼滅」「ネクスト鬼滅」などの枕詞も不要となったアニメ『呪術廻戦』(原作:芥見下々/集英社)。主人公・虎杖悠仁(CV:榎木淳弥)をはじめとする呪術高専生たちはもちろんのこと、彼らを取り巻く“大人たち”も大きな注目を集めています。

 冒頭に挙げたのはとりわけ人気の高い七海建人(CV:津田健次郎)、通称ナナミンの言葉です。一体、彼の何が私たちの心をつかんで離さないのでしょうか。具体的なエピソードを踏まえつつ、その理由を「少年マンガ」「子供」「大人」という3つのワードから紐解いていきます。(※本稿では重要エピソードついて触れている箇所がありますので原作・アニメを未読未視聴の方はご注意ください)

●証券会社社員から呪術師の世界に戻った“脱サラ”呪術師

 まず彼の基本情報から。七海建人(ななみ・けんと)。呪術高専東京校OBの一級呪術師であり、五条悟(CV:中村悠一)の1学年後輩にあたります。高専卒業後は一般企業(証券会社)に勤めたのち、再び呪術師の世界へと戻ってきた異色の経歴の持ち主です。好きなものはパンにアヒージョ。スーツに七三分けに丸メガネという風貌に、常に冷静沈着な言動、まさに一分の隙もない「大人」です。(とはいえ登場時は27歳でした)ちなみに芥見先生もお気に入りのキャラクターです。

●五条悟との比較で分かるナナミンの「少年マンガ」における異端ぶり

 少年マンガにおいて「大人」はあまりポジティブな意味合いで使われ難い単語です。こと主人公が少年である以上、得てして対立構造のなかに押し込められてしまいがち。組織に縛られ、保身に走ったり、都合が悪くなければ理不尽を振りかざしたり……『呪術廻戦』でもそうした記号を背負った大人たちは少なからず登場します。だからこそ、少年マンガでは組織に縛られず、実力で自由を約束された、そんな外資系の匂い(?)を感じさせてくれるカリスマが必要とされてきました。

『呪術廻戦』でいえば五条悟はまさにカリスマ的存在。夜蛾正道(CV:黒田崇矢)や楽巌寺嘉伸(CV:麦人)といった学長たちにも一切、気を遣うことなく、どこまでもフランクに立ち回ります。「大人」と「子供」の二項対立から解放された存在、それが五条とするならば、彼と対をなすことであふれ出てしまうのが“絶対的大人”ナナミンの魅力といえます。具体的に見ていきましょう。

●子供をちゃんと子供扱いするナナミンの愛とダンディズム

 冒頭で挙げたセリフが登場するエピソードはアニメ初登場時の9話。五条の代わりに虎杖を引率することになった七海は明らかに弱そうな呪霊と対峙しても「勝てないと判断したら呼んでください」と徹底して虎杖を子供扱いします。虎杖は不満を漏らしますが、これこそが七海の魅力を理解する上で大事なポイントです。そもそも彼は呪術高専の教職員ではないので、虎杖を護る職務上の責任は(おそらく)発生していません。ただ「義務」として子供である虎杖を優先するのです。なぜなら自分は「大人」だから。時間外労働を嫌い、公私混同を是としない七海からすれば、わざわざ自分に「大人」の監督責任を課すことは無益なことのはず。つまり義務と言いつつも、その動機は純粋な愛です。

●もはやギャップではない? ストレートに伝わるナナミンの魅力!

 七海は冷静ですが冷酷ではありません。したがって「いつも冷酷なのに時折優しさを見せる」というギャップで魅了するのではなく、むしろストレートに私たちを魅了し続けるのです。虎杖を遠ざけ臨んだ真人戦では驚くべき戦闘能力と見た目を裏切らぬ明晰ぶりを発揮。過去エピソードで明かされたパン屋さんへの親切にも胸打たれます。「同じクソならより適正のある方を」というニヒルな人生観もまた彼の高専時代を鑑みれば深く理解できます。何層にも魅力が上乗せされたキャラクターゆえ、芥見先生も「渋谷事変」を描く際は覚悟を要したようです。

「兄貴分」ではなく「大人」であり続けた七海。子供が近くにいる以上、大人を全うすることが大人の責任です。『呪術廻戦』には七海以外にも伊地知潔高(CV:岩田光央)、家入硝子(CV:遠藤綾)、吉野凪(CV:野田順子)などなど「大人」でいてくれるキャラクターが多く登場します。『呪術廻戦』は少年マンガにおける「大人」の再評価を進めてくれた作品といえるかもしれません。

(片野)

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