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3Pシュートの必殺技を持つ『黒バス』のシューター3選。ロングショットを魅力的に描く

東京オリンピック女子チームの活躍で一躍話題になったバスケットボール。その躍進に大きく貢献したのが3Pシュートと言われています。今回は、バスケットボールマンガの大人気作『黒子のバスケ』で、3Pシュートを必殺技にまで昇華した3人をご紹介します。

作中最高の3Pシューター・緑間

緑間真太郎(左)が表紙に描かれる、『黒子のバスケ』4巻(集英社)
緑間真太郎(左)が表紙に描かれる、『黒子のバスケ』4巻(集英社)

 東京オリンピックで史上初の銀メダルに輝いた女子バスケットボール。その躍進の要素はいくつも語られていますが、筆者が注目したのは「3P(ポイント)シュート」を重視したチーム構成でした。今回は、人気バスケ作品のひとつである『黒子のバスケ』から、3Pシュートの必殺技を持つ3人をご紹介します。

 年配の方には、3P(スリーポイント)シュートを知らない人もいるかと思います。3Pというのは、3Pエリアというゴールから遠い場所で決めるシュートのこと。それゆえに通常の2点より高い3点が得られるわけです。このルールは1960年代頃から広まり、日本では1985年から採用されました。そのため(筆者もそうですが)年配の方は学校の授業などで経験したことがないわけです。

 遠くからシュートするわけですから成功率も低く、だからこそ高得点の3点になるわけです。これを「2点ずつより3点ずつ取ったほうが強い」と論理立て、3Pにこだわった選手がいました。「キセキの世代」随一の3Pシューター、緑間真太郎です。

 3Pにこだわる緑間の座右の銘は「人事を尽くして天命を待つ」。日々の練習に真摯であることはもちろん、眼鏡の掛け方、バッシュの紐の結び方、さらには毎日テレビ番組の占いコーナーでラッキーアイテムと言われたものを持ち歩き、試合中はベンチにまで持ち込みます。それを見てチームメイトは呆れますが、本人はいたって真面目。なぜならばそれが緑間の言う「人事を尽くす」ということだからです。

 さらにバスケ以外での日常生活では左手の指をテーピングでガードをするのも、3Pシュートには爪のかかり方が重要だと考えているからで、緑間の3Pシュートに対する執念にも似た姿勢は徹底されていました。

 その緑間の唯一であり最強の必殺技が「超長距離(スーパーロングレンジ)3Pシュート」。フォームを崩されない限り100%の精度を誇り、中学時代の射程範囲はハーフコートまででしたが、高校入学後はオールレンジ(コート全て)になっています。シンプルなだけに、キセキの世代でもっとも恐ろしい能力でしょう。

 これにコンビプレイも加えた「空中装填式(スカイ・ダイレクト)3Pシュート」ですと、ジャンプした状態でシュート態勢に入り、そこでパスされたボールをキャッチして打ち込むという、より攻略難易度の高い技になります。

 さらに、緑間の3Pシュートはボールの軌道が恐ろしく高く長いループを描き、長い滞空時間中に自軍チームがディフェンスに戻ることができるという利点と、それを見ることしかできない相手チームを絶望的にさせるという特徴がありました。

 2点より3点の方が強い「シンプルだからこそ真理」。3Pに対する緑間のスタンスですが、当時のチームメイトの黒子テツヤからは「緑間君って頭いいのにたまにアホですよね」と言われてしまいます。

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