40周年迎えた粋なアニメ『銀河旋風ブライガー』 「イェーイ!」で済ませる軽快な物語
80年代の伝説的ロボットアニメであるJ9シリーズ第一弾『銀河旋風ブライガー』は、ロボットアニメでありながら男の子だけでなく女の子も夢中にさせました。大きな要因のひとつに、計算されたテンポの良さにありました。
ロボットアニメらしからぬ作風を目指した意欲作

本日2021年10月6日(水)は、40年前の1981年にTVアニメ『銀河旋風ブライガー』が放送開始した日。つまり今日は40周年のメモリアルデーになります。
この頃のTVアニメ作品はロボットアニメと、マンガがヒットした原作付きアニメ作品がほとんどを占めていました。逆を言えば、アニメでオリジナル作品を制作する場合、ロボットアニメにすると企画として通りやすかったと言われています。これにはTVアニメのメインスポンサーのほとんどが玩具会社だったからという事情もありました。
そんな事情からロボットアニメというジャンルでありながら、その内容はロボットをカッコよく見せる戦闘シーンよりも、キャラクターの魅力でドラマを盛り上げる作品が少しずつ増えていきます。本作も海外ドラマのようなシャレた会話に、当時の人気時代劇シリーズだった『必殺』のドラマをミックスした作風が、本来のターゲットであるオモチャを買う男子児童よりも、中高生以上の若者に受ける要因になりました。
そうはいってもオモチャの売れ行きは好調で、スポンサーの「タカトクトイス」のこの年の売り上げは前年を超えるほどで、もっとも売れた商品がブライガーだったそうです。このことが後に本作がシリーズ化した一因になったことは言うまでもありません。
また、よく話題になるオープニングは時代を代表する映像と言っても過言ではないもので、歌詞はもちろん、冒頭のナレーションをおぼえた人も多くいました。筆者もそのひとりです。作詞・作曲は『タイムボカン』などで知られた山本正之さん。山本さんは他にも本作のBGMや挿入歌の数々も提供しています。その魅力的な音楽はファンの心をとらえ、80年代のアニメと音楽が密接にかかわりあうようになったきっかけのひとつとなりました。
そして、オープニングで忘れてはいけないのが金田伊功さんによる作画です。緩急をつけながら舞うようなアクロバティックな動き、「金田パース」と呼ばれた独特のスタイルを本作で知った人も多くいました。その個性的なポージングと、大胆に誇張された遠近感など、日本のアニメーションに大きな影響を与えます。
こういった部分が背景としてありますが、やはりファンが注目したのは魅力的なキャラクターたちにありました。