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『鬼滅の刃 遊郭編』スタート! 「柱」は初登場時の印象が悪いのが「ずるい」

2021年12月5日に放送が開始された、TVアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』。「無限列車編」を経て、ついにスタートした新たなストーリー。その第1話であり、12月5日に放送された「音柱・宇髄天元」をレビューします。

派手柱こと音柱・宇髄天元が初登場!

TVアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』第1弾キービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
TVアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』第1弾キービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 2021年12月5日、TVアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』の第1話「音柱・宇髄天元」が放送されました。約50分に放送時間が拡大された今回。語りたいことが多すぎる! と困惑してしまうほどに、圧倒的な情報量が詰まっていました。

●満足感も期待感も極大に高めてくれるストーリーに興奮

 物語前半では、「無限列車編」の後日譚にあたるエピソードが流れました。ここがアニメオリジナルエピソードとともに、時間たっぷり丁寧に描かれたのは、『鬼滅』ファンにとってとてもうれしいことではないでしょうか。

 兄・杏寿郎(きょうじゅろう)の訃報を知り、悲しみに暮れる弟・千寿郎(せんじゅろう)。底抜けに優しい彼に声を吹き込んだのは、声優の榎木淳弥さんです。震える声で語れる彼の悲痛な思いや決意。炭治郎の覚悟や叫び。酒に溺れる父・槇寿郎(しんじゅろう)の心境。あらゆる演出が、こちらの涙腺に総攻撃をかけてきます。もう泣くしかないじゃないですか、こんなの。

 煉獄家でのエピソードは、「遊郭編」やそれ以降の物語で非常に大事な要因も含まれています。死してなお、炭治郎たちに多大な影響を及ぼす、煉獄杏寿郎の人柄を再認識できるシーンを、じっくり堪能できました。

 後半部からのストーリーは、ジワジワと助走をつけたシナリオに、爆発的な期待感を誘ってくれました。派手派手な柱・宇髄天元の登場で、物語のイメージが一気に変わります。宇髄の振る舞いは、各方面からお叱りを受けそうな、傍若無人なものでした。

 なぜ柱というのは、こうも初登場時は見る人に悪印象を残すのでしょう。そこからどんどんキャラクターの魅力が湯水のごとく湧き出てくるのですから、好きになるしかない。もう「ずるい」のひと言です。

●OPのタイトルコール

 宇髄が高めたストーリーへの期待値は、終盤に流れたAimerさんのOP主題歌「残響散歌」でさらに爆発します。触れたいことは山ほどありますが、ここではあえてひとつだけ。タイトルコールに登場した宇髄と炭治郎のツーショットについて、触れさせてください。

 TVアニメ1期の「竈門炭治郎 立志編」では、炭治郎ひとりが駆け出す姿が描かれました。「無限列車編」では、煉獄・炭治郎のふたりがそれぞれ逆方向に駆け出す画に。「遊郭編」では、宇髄・炭治郎のふたりが、同じ方向を向いた画へと変わりました。

 物語が進むごとに、炭治郎は柱と共闘してより強大な敵を前に挑みます。しかし、「無限列車編」で彼は煉獄の隣に立つことができませんでした。それが「遊郭編」で、炭治郎はついに偉大な先輩に対して、さまざまな形で貢献するまでに成長します。

 たったワンカットで、彼の成長が表現されているわけです。「これからの炭治郎たちの活躍をぜひ観てください」と言われているようで、ファンを興奮させる見事な演出でした。

 作画も、演出も、音楽も、キャラクターの魅力も。とてもここでは描ききれないほどに詰まっていた第1話。『鬼滅』ファンのワクワクのボルテージは、まだまだ収まりそうにありませんね。

※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記

(サトートモロー)

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