三島由紀夫、村上春樹…世界的文豪が愛するマンガたち まさかのニャロメ好き?
『ONE PIECE』は未来のノーベル賞作家を生み出すか?

●村上春樹もマンガを読むのか? ファンが本人に訊いてみたところ……
昭和から平成、そして令和になってなお「ハルキスト」を増やし続ける戦後の最重要作家のひとり、村上春樹氏。デビュー作から最新作に至るまで、主題の変化こそありますが、一貫しているのは洒脱な文体です。乱暴な言い方となりますが、どこから読んでも「オシャレ」であるのが、村上春樹氏の恐ろしいところです。果たしてそんな村上氏の人生に、マンガは影響を与えているのでしょうか?
新潮社より2015年に刊行された、読者からの質問に対する回答をまとめた書籍『村上さんのところ』を開いてみましょう。そのなかの、「好きなマンガ家はいるか」という質問に対し、村上春樹氏は次のように答えて言います。
「山岸凉子さんの『日出処の天子』と村上もとかさんの『赤いペガサス』ですね」
ゲキ渋です。『日出処の天子』は1980年から「LaLa」にて連載が開始された少女漫画界の大巨匠、山岸凉子さんの代表作。厩戸王子と蘇我毛人との、妖しい愛の模様を描いたマンガです。
また、村上もとか先生といえば『龍-RON-』や『JIN-仁-』などの代表作がありますが、1977年に「週刊少年サンデー」で連載開始の『赤いペガサス』は、当時まだマイナーであったF1グランプリを題材にした作品なのです。この2作を推しマンガとしてあげているのですから、村上氏も相当なマンガファンであると思わざるを得ません。なお村上氏の作家デビューは1979年であり、発表時期が2作それぞれと近いことも着目すべき点でしょう。
●今、世界が最も注目している現代の文豪は『ONE PIECE』大好き
最後に世界的な注目が集まっている日本人作家、中村文則氏をご紹介します。『銃』『土の中の子供』などの作品で注目され、2010年発表の『掏摸<スリ>』は英訳され2012年にウォール・ストリート・ジャーナル紙で年間ベスト10に数え上げられました。そんな未来のノーベル文学賞作家の呼び声も高い中村文則は、『ONE PIECE』(著:尾田栄一郎)の大ファンでもあります。
『ONE PIECE』展に行ったり、特集マガジンに寄稿したりと、随所でその愛を筆に乗せて爆発させています。果たして若き文豪に『ONE PIECE』がどんな影響を与えているのか、これもまた令和文学史において極めて重要な視点です。
小説家に影響を与えるのは、決して小説だけではありません。マンガ大国日本において、マンガの影響受けている小説家は、想像以上に多くいるのではないでしょうか。
(片野)



