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「短い原作」を実写化したおすすめ映画5選 「音楽」の使い方、構成がうますぎる!

長期連載の人気長編作を実写化すると、原作の完結まで描ききれずに終わったり、やや駆け足な展開になったりすることもあります。今回はそれとは逆に、1~2巻程度で完結する短いマンガを実写化したおすすめ映画を紹介します。

マンガでは出せない「音楽」の魅力も

浅野いにおの原作を映画化し、劇中の楽曲をASIAN KUNG-FU GENERATIONが担当した『ソラニン』 (C)2010 浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会 写真:太田好治
浅野いにおの原作を映画化し、劇中の楽曲をASIAN KUNG-FU GENERATIONが担当した『ソラニン』 (C)2010 浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会 写真:太田好治

 マンガの実写化で、原作が長編作品だった場合は、話が駆け足になったり、まだ序盤の段階で終わったりしてしまうこともしばしばあります。今回はそれとは反対に、2巻以内の短い名作マンガをしっかり最後まで実写化した、おすすめ映画を紹介します。

●『ソラニン』

 浅野いにお先生の同名マンガ(全2巻)を、三木孝浩監督が映画化した青春映画。社会に出るも、このままでいいのかとくすぶり会社を辞めた芽衣子(宮崎あおい)、バイトをしながらバンドを細々と続けていた種田(高良健吾)のカップルと、仲間たちの物語が描かれます。

 途中で起きる悲劇も、ラストの展開も基本的には原作に忠実で、マンガそのままの演出(風船の場面や「ホントに?」の文字が出る場面など)もありました。キャストのハマり具合も絶妙で、特にビリー役の桐谷健太さんや加藤役の近藤洋一さん(サンボマスター)は見た目も雰囲気もそっくりです。

 そして原作で歌詞だけがわかっていた種田の曲を、後藤正文さん(ASIAN KUNG-FU GENERATION)が作曲し完成させた「ソラニン」のエモさも見どころ。劇中で宮崎あおいさんが拙さを残しながら同曲を熱唱する場面だけでも、映画化する意義があったと言えるでしょう。

 ちなみに『ソラニン』というタイトルは、連載前に浅野先生が交際していた彼女が、アジカンの新作アルバム「ソルファ」と「ソラニン」を聞き間違えたことがきっかけ。実に不思議な縁で完成した作品です。

●『ミスミソウ』

 押切蓮介先生の『ミスミソウ』(全2巻)は、いじめっ子たちに家族を奪われた少女の復讐劇を描いた青春ホラーマンガです。「精神破壊(メンチサイド)ホラー」という強烈なキャッチコピーがつけられるほどの、容赦のない悲劇展開と残酷描写が話題を呼びました。そんな同作を実写化したのは『先生を流産させる会』『パズル』『ライチ☆光クラブ』などの、未成年が起こす惨劇の物語を描いてきた内藤瑛亮監督です。

 原作の目をそむけたくなるようなトラウマ描写がほぼ忠実に再現されるので、正直グロ耐性がある人にしかおすすめはできません。ただ、一方で切ない青春模様も繊細に描かれており、思わず落涙してしまう場面もあります。

 実写だからこそ美しさが増す、鮮血が雪に飛び散る描写や、若手キャストたちの熱演も見どころです。また、ラストのある人物に関する改変、そしてエンドロールで流れるタテタカコさんの「道程」の美しいメロディと歌詞のおかげで、恐ろしく悲しいストーリーながらも、最後はどこか爽やかな印象すら与えます。

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