人気作を生んだジャンプ漫画家の過去の打ち切りマンガ4選 ヒット作のルーツがある?
面白くてもアンケートの結果が振るわずに打ち切りとなってしまうのは、ジャンプ作品の特徴でもあります。そして打ち切りを経験しながらも、その後長期連載作品を描き、アニメ化や実写化と飛躍を遂げた先生もいます。今回はそんな先生方の打ち切り作品に見られる、人気作品との共通点を紹介します。
大ヒット作のキャラクターや世界観に残る打ち切り作品の面影

「読者アンケートによって掲載順が決定、人気のない作品は打ち切られる」システムの「週刊少年ジャンプ」。数々の掲載作品がしのぎを削り、泣く泣く打ち切りとなった作品はこれまで無数にあります。
しかし、一度打ち切りになったからと言ってその漫画家のキャリアが終わるわけではありません。かつて打ち切りを経て今やジャンプの看板作家になった方々は、どんな作品を描いていたのでしょうか。
●個性豊かなキャラクターデザイン!堀越耕平先生の初連載作『逢魔ヶ刻動物園』
最終章に突入し、SNSを中心に考察も白熱している『僕のヒーローアカデミア』。その作者である堀越耕平先生は2010年〜2011年に『逢魔ヶ刻動物園』(おうまがどきどうぶつえん)を連載していたのですが、惜しくも全5巻で打ち切りとなってしまいました。
『逢魔ヶ刻動物園』は『僕のヒーローアカデミア』同様、個性豊かなデザインとネーミングが見どころのひとつで、ウワバミ、サカマタというキャラクターは同じデザインと名前で『僕のヒーローアカデミア』にも登場しています。
さらに映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE 〜2人の英雄〜』にスタッフとして出てくる鳥の姿をしたタカヒロも、実は『逢魔ヶ刻動物園』のキャラクター。『僕のヒーローアカデミア』の人気キャラクター、ホークスはこのタカヒロがモデルになったともいわれており、2作品の強いつながりが感じられます。
●おしゃれで唯一無二の世界観!久保帯人先生の『ZOMBIEPOWDER.』
死神代行の主人公と悪霊・虚(ホロウ)との戦いを描いたバトルマンガ『BLEACH』。2016年に連載が終了するも、22年には原画展の開催や新エピソードのアニメ化もあり、今でもその人気が衰えないことがうかがえます。そんな『BLEACH』の作者・久保帯人先生の初連載作品は、西部劇を思わせる世界を舞台にした『ZOMBIEPOWDER.』(ゾンビパウダー)です。
おしゃれでスタイリッシュな世界観や独特のセリフ回し、かわいい女の子キャラなど、久保帯人先生にしか描けない作風がこの当時から見られます。残念ながら全4巻で打ち切りとなってしまいましたが、回収できていない伏線もあることから今でも復活を望む声も少なくないようです。