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【ZガンダムのMS】「使い勝手がよかった」3つの汎用機、ネモ、ジムII、ガルバルディβ

『機動戦士Zガンダム』に登場した数々のMSのなかでも、主力MSとして、汎用機として登場したネモ、ジムII、ガルバルディβの開発経緯と作中での活躍を振り返ります。

エゥーゴを支えたワークホース

ジムIIの後継機として開発されたネモ。画像は「HGUC 機動戦士Zガンダム MSA-003 ネモ 1/144スケール 色分け済みプラモデル」(BANDAI SPIRITS)
ジムIIの後継機として開発されたネモ。画像は「HGUC 機動戦士Zガンダム MSA-003 ネモ 1/144スケール 色分け済みプラモデル」(BANDAI SPIRITS)

『機動戦士Zガンダム』では、「ガンダムMk-II」や「リック・ディアス」のように、主役やメインキャラの乗機としてスポットが当たる機体ではなくとも、大量に配備されて戦線を支えたモビルスーツ(MS)たちが活躍しています。

●「MSA-003 ネモ」

「MSA-003 ネモ」は、エゥーゴが主力機として運用したモビルスーツです。一見するとカラーリング以外は「RMS-179(RGM-79R) ジムII」に近い形状をしていますが、当時の量産機としては最新鋭の技術が多数取り入れられた高性能機として開発されています。

 本来、エゥーゴでは「RMS-108(MSA-002)マラサイ」を主力量産機として採用する予定でしたが、リック・ディアスの開発を行ったと嫌疑をかけられたアナハイム・エレクトロニクス社が追及をかわすために同機はティターンズへと供給されたため、代替機としてネモが採用されました。

 本機の性能で特筆すべきは、リック・ディアスや百式で培った技術をもとにコストダウンされたムーバブル・フレームが採用されている点であり、「ジムII」をはるかに上回る汎用性と機動性を獲得しています。装甲材についてはガンダリウム合金が使用されていますが、大量生産のためにリック・ディアスに使用された「ガンダリウムγ」を使用している説だけではなく、「α」や「β」を採用しているとする資料もあり、詳細な仕様は不明となっています。

 ただし本機はエゥーゴの資金難問題により、ビーム・ライフルはジムIIのものをそのまま採用しており、攻撃性能に若干の問題を抱えています。

 量産機としては革新的な性能を持つネモでしたが、『機動戦士Zガンダム』本編では基本的にやられ役として描写されており、さほどの活躍は見られませんでした。作中に登場するエースパイロットたちには恐竜的進化を続けた高性能モビルスーツが優先的に配備されており、いかに高性能とはいえ量産機に搭乗する速成教育を受けたパイロットたちでは、練度の面で太刀打ちできなかったことも大きな理由としてあげられるでしょう。

 事実、強化人間であるロザミア・バダムが搭乗した際にはハイザックの撃墜に成功しており、基本性能は高いことが見て取れます。

 グリプス戦役終結後には地球連邦軍に接収されたため、『機動戦士ガンダムUC』のトリントン基地襲撃のシーンにも登場しましたが、「一年戦争」時代の骨とう品であるジュアッグにさえ不覚をとっています。どこまでも報われない機体ではありますが、「なんかこういう機体が好き」という方にとっては、たまらない魅力を放つモビルスーツなのではないでしょうか。

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