実写映画で描いてほしかった漫画の名場面3選 「伝説の土下座」カットは残念?
「二重の極み」は実写だと難しい?

●「るろうに剣心」シリーズ……相楽左之助vs悠久山安慈の「二重の極み」対決
実写版「るろうに剣心」シリーズは数々のハイレベルなアクションシーン、佐藤健さんはじめ実力派キャストたちの熱演で話題を呼び、完結までの5作が作られて大ヒットしました。マンガの実写化では最高の成功例のひとつと言えますが、原作をすべて忠実に再現しているかと言うと、それはまた違います。
特に「京都大火編」「伝説の最期編」は、志々雄真実の配下・十本刀に関する描写などが大きく削られており、それに伴ってか相楽左之助が悠久山安慈から教わるはずの必殺技「二重の極み」も登場しませんでした。
「二重の極み」は端的にいうと「立てた拳の指部分を当てる一撃目で物質の抵抗を無くし、拳全体を当てる二撃目の衝撃を完全に伝えることで物体を破壊する」という恐ろしいもので、原作の左之助はこの技を習得して、拳で岩も刃物も砕き壊すほどの強者になっています。
ただ「二重の極み」が理論上不可能なことは、物理に詳しい人はもちろん、子供のころに真似しようとして痛い目を見た人もご存じでしょう。そして、実写版はマンガ的表現とリアルな時代劇の中間ギリギリを攻めているような作りだったのもあり、「二重の極み」は存在ごとカットとなったと思われます。
SNSなどの意見を見ていると「二重の極み」が登場しないことを残念に思う声のほか、青木崇高さん演じる実写版・左之助が必殺技なしの徒手空拳で「伝説の最期編」の志々雄真実との最終決戦に参戦させられていることや、「The Final」で雪代縁にボコボコにされていることに対し同情する声もありました。
ただ、戦闘力はだいぶ減らされてしまいましたが、実写版・左之助はその代わり、どんな攻撃を食らっても立ち上がる超タフネスキャラとして描かれています。安慈との対戦(ここで初対面)ではどちらもひたすら格闘して、最後は左之助のバックドロップ……という幕引きになりました。また、志々雄に「何だお前は……?」とあしらわれても何度も血みどろで食らいつく意地を見せたほか、随所で重苦しい雰囲気を中和してくれるムードメーカーとして、また違った魅力を発揮しています。
今回挙げた3作に対してこのような意見があがるのはもちろん、実写化作品のなかでもクオリティが高い成功作だからこそ。「あの優秀なスタッフ、キャスト陣なら再現できたのでは」と、つい期待が高まってしまうのでしょう。
(マグミクス編集部)